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IAEA2月理事会報告



 1969年2月理事会は、2月25日より27日までの3日間、IAEA本部において25理事国参加のもとに開催された。以下議題を迫って報告する。


議題1 技術援助

 IAEAの事業資金から977,000ドルを技術援助に割り当てるという技術援助委員会の勧告が採択された。


議題2 1969年事業計画予算の割当て

 1969年度のIAEA事業計画に対する一般資金として1,477,000ドルを計上し、そのうち、172,000ドルを研究所に、1,313,000を技術援助および研修にあてることに決定した。なお1969年度総会で定めた額、1,839,000ドルまで資金が調達できた場合には、余剰分を技術援助および研修にあてることに決定した。


議題3 1967〜68年度国際連合経済社会理事会に提出するIAEA年次報告

 事務局原案通り承認した。


議題4 国際原子力情報システム

 事務局より国際原子力情報システムについての案が提出され審議された。先進諸国はおおむね基本的には事務局案に賛成との態度であったが、開発途上国からは本計画や保障措置のような先進諸国のためのプロジェクトに金を使うよりも開発途上国援助のためにもっと金を使うべきであるとの見解が表明された。審議の結果、オーストラリアより、(イ)分野を限定して段階的に計画をすすめること、(ロ)毎年成果を評価し、予算はその都度きめること、(ハ)ユーラトムとの契約については、事務局長は協定をつくる努力をすること、(ニ)理事国に限定しない諮問委員会をつくり、開発途上国からの専門家を必らず加えることを内容とする修正案が提出され承認された。


議題5 臨界実験装置および研究炉の安全運転のための実施規則

 1968年5月に開催された専門家パネルの報告にもとづいて作成された事務局案を原案通り承認した。


議題6 保障措置

 査察員2名(イタリア、スウェーデン)の任命を承認した。
 これに関連して、アメリカより、核不拡散条約下において必要になってくるであろう保障措置協定の内容に関して検討するためのアド・ホックな委員会を設立することについて各国をサウンドしたが十分な合意に達しなかったので今回は提案をとりやめる旨の発言があった。


議題7 原子炉計画

 フランスよりアルゼンチンのブエノスアイレス近郊エゼイザにある原子炉(RA-3)で使用する低温照射ループを提供する計画が承認された。


議題8 核爆発平和利用

 事務局より核爆発平和利用についてIAEAの果すべき役割について述べた報告書が提出され、意見の交換がおこなわれた。本件についてはアメリカより、さらに検討を重ねるためのアド・ホックな委員会を設置することを目的とする決議案が提出され承認された。


議題9 憲章第6条再検討

 イタリア、メキシコ、パキスタン3国より、それぞれ理事会構成の変更に関する自国提案の提案理由の説明があったのち、アメリカより憲章第6条検討のためのアド・ホック委員会設置の提案があり、アメリカ提案が承認された。


議題10 原子力プロジェクト財政援助

 原子力プロジェクト財政援助のために新たな措置をとるべきか否かについて一般的検討をおこなったが結論を得なかった。


議題11 国際労働機関設立50週年記念

 国際労働機関に対して50週年記念メッセージをおくることを承認した。


議題12

 中止


議題13 職員俸給

 事務局原案通り承認された。


議題14 事務局長定期報告

 事務局原案通り承認された。


議題15 次回理事会について

 6月10日に開催することに決定した。


議題16 非核保有国会議決議案について

 事務局が逐次各国のコメントを受けて対応策の検討をつづけることになった。




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