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日米原子力委員会会談の開催について |
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昭和42年9月、二階堂前原子力委員会委員長とシーボーグ米原子力委員長とは日米の原子力会談を開催することについて合意に達した。 これに基づき、日米両国の原子力委員会の会談を本年7月15日および16日ワシントンで開催した。 議題、日程および出席者は下記のとおりであり、また、会談後発表された共同コミュニケは別添のとおりである。 記 昭和43年7月15日および16日 米国ワシントン・米国原子力委員会ダウンタウンオフィス 2 議題 (1)日本および米国における原子力発電 (2)日米間技術協力 A 技術協力研究レビュー(3)意見交換 A 核兵器の不拡散条約に関する原子力の平和利用および保障措置3 出席者
別 添 日米原子力委員会会談共同コミュニケ 昭和43年7月15日(ワシントン時間) 日本原子力委員会及び米国原子力委員会は、本日、原子力の平和利用に関する両国の協力を検討するため第1回の定期的会談を開催した。本会談は、昨年9月ウィーンで開かれた国際原子力機関の第11回総会の際に日本原子力委員会委員長より米国原子力委員会委員長に対し行われた提案に基づくものである。 本日の会談は、G.T.シーボーグ米国原子力委員会委員長司会の下で行われた。鍋島直紹科学技術庁長官兼原子力委員会委員長が日本側を代表した。 米国原子力委員会側からは、G.T.シーボーグ委員長のほか、J.T.レイミイ、G.F.ティプおよびW.E.ジョンソンの3委員が出席した。 両国原子力委員会は、原子力の平和利用に関する日米両国間の緊密かつ友好的協力の長い歴史、なかんずく最近締結された原子力平和利用に関する新協定に特に留意した。 本年はじめ、ワシントンにおいて下田日本大使およびラスク国務長官、G.T.シーボーグ委員長により署名され、7月11日(日本時間)発効した同協定は日本の原子力平和利用諸計画のために使用される濃縮ウランの米側による供給を含む今後30年間における両国間の総合的協力計画を規定している。 両国委員会は、協力を継続し、かつ強化すること、および特に原子力平和利用の発展の先端を行く分野において新たに技術交流を促進することにつき合意した。 この点に関し、両国委員会は、日米両国および諸外国においても原子力開発の中心をなす高速増殖炉の分野について早急に情報交換の取極を行うことに合意した。 両国委員会は更に、食品照射保存に関する分野およびプルトニウムの動力炉利用に関する分野について、将来特定の技術交換の取極を行うことにつき合意した。 更に両国委員会は、おのおのの原子力発電計画、新型転換炉を含む原子炉開発及びその技術、プルトニウムの利用、プルトニウムおよび濃縮ウランの供給および原子力による脱塩等の原子力平和利用の諸問題につき広く意見を交換した。 両国委員会は、このような両委員会の責任者間の直接の接触の重要性につき完全に意見が一致し、かかる定期的会談の第2回は東京で行なうことに合意した。 15日開かれた日米原子力会談において日本側鍋島原子力委員長及び米国側シーボーグ原子力委員長は両国の高速増殖炉に関する協力について、次のごとき議事録(Record of Discussions)にイニシアルを行なった。 高速増殖炉に関する技術交流取極の交渉に関する議事録(仮訳) 日本及び米国の原子力委員会は、高速増殖炉の特定の分野における技術交流取極を行なう事を相互に希望する。日本原子力委員会は、動力炉・核燃料開発事業団に対し、この責任を遂行することを求める。 この取極は、1968年2月26日に署名された日本国政府と合衆国政府との間の、原子力の非軍事的利用に関する協力協定の規定に従うものとする。 この取極の技術的な範囲にふくまれる中項目又は小項目は両当事者の計画上の努力が適度に釣り合うもの、又は、一方の当事者の計画において重点のおかれている情報と他の当事者の計画において重点のおかれている別の分野の情報とが交換されるものとする。 これらの特定分野及び実施上の詳細は、特許に関する法律及び共同開発努力における民間資金の利用について、特に注意を払うことを考慮しつつ各当事者の幹部職員によって、合意されるものとする。 | ||||||||||||||||||||||||||||||||||||
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