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原子力軍艦の本邦寄港に伴なう
放射能調査の整備方針


昭和43年5月31日
科学技術庁

 原子力軍艦の本邦寄港に伴なう放射能調査については、従来より寄港時における環境モニタリングおよび定期的な放射能レベルの調査を行なってきたが、今回の佐世保港における事例にかんがみ、さらにその体制を整備強化し、調査に万全を期するため、下記の事項について関係各省庁と調整の上、速やかに措置することとする。

 なお、措置の具体的内容については、専門家の意見を徴するものとする。

1 現地調査体制の充実
 放射能調査について現地調査班を編成するとともに、調査指針の整備、測定要員の訓練を強化する。

 なお、寄港中および定期調査につき、試料数、測定回数の増加をはかる。

2 測定分析機器の増強
 測定、試料採取、分析等が迅速適確に行ないうるような機器を増強すると共に、とくに異常現象を解析できる核種分析の機能を強化する。

3 測定結果の解析機能の強化
 解析の迅速化、専門家による検討等によって解析機能の強化をはかる。

 なお、測定器に対する放射能以外の要因による影響について試験研究を行なう。

4 連絡、発表体制の整備
 現地との連絡を緊密にすると共に、資料作成等の迅速化および発表方法の改善等をはかる。

原子力軍艦寄港に伴う放射能調査に必要な経費の内訳(予備費)

昭和43年6月4日

 放射能調査の整備方針にもとづいて調査体制を強化するため、6月4日の閣議により、下記の出費が昭和43年度予算予備費に計上された。

1 調査体制の充実 4,531千円
 (1)現地調査班の編成 1,091千円
 (2)試料数及び測定回数の増加 3,238千円
2 測定分析機器の増強 40,236千円
 (1)モニタリングポスト 4台 18,000千円
 (2)波高分析器一式 2台 13,320千円
 (3)シンチレーションカウンターおよび
   GMカンンダーの回路部および
   記録部改造 各2台
2,800千円
 (4)測距償および六分儀 各2台 1,811千円
 (5)建屋借料 2,420千円
3 測定結果の解析機能の強化 2,174千円
4 連絡発表体制の整備 6,411千円
  テレファックス一式および電送料 3,980千円
5 総計 53,352千円
  うち科学技術庁 45,285千円
    海上保安庁 8,067千円

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