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放射能対策本部の動き
第7回中共核爆発実験について
米国原子力委員会は、12月24日中共が同日第7回目の核爆発実験を行なったと発表した。(12月24日ワシントンUPI、ロイター)
これに対処し、放射能対策本部は12月25日幹事会を開催し、直ちに緊急時調査体制に入ることを決定した。
1 第7回中共核爆発実験によるわが国への影響について
わが国への影響は、12月26日未明に新潟大学医学部が構内で強放射性粒子を検出したのをはじめとし、関東北西の各地においても数個の強放射性粒子を検出したが、その数は少く、10平方メートル当り2〜3個程度にとどまった。
高空浮遊塵については、気象予想に基づいて、飛行回数、飛行高度および飛行地区等を決定し、測定を実施した。
従来の測定経験に基づいて適切な高空浮遊塵の測定計画がたてられたので25日岐阜上空10,000mにおいて17,960pCi/m
3
という測定結果を得た。
しかし高空浮遊塵の放射能濃度には27日は平常値に復した。
以上のように、わが国への影響は、高空に放射能気塊の飛来が確認されながら、地表へは僅かの強放射性粒子の降下にとどまり、雨水、地表浮遊塵には殆んど影響が表われなかったが、このことはジェット気流の速度が早かったため放射能塵を運ぶ気塊がすばやく日本の上空を通過したためと考えられる。
このように地表面への影響が現われぬまま、高空における放射性浮遊塵も27日に平常に復したため、放射能対策本部としては、29日に警戒体制を平常状態に復した。
なお、今回の中共核爆発実験に伴う放射能調査結果は次のとおりである。
2 第7回中共核爆発実験に伴う放射能調査結果
1. 雨水の放射能(気象庁)
2. 地表浮遊塵の放射能(気象庁)
3. 高空浮遊塵の全β放射能(防衛庁)
4. 雨水落下塵の放射能(放医研)
3 放射能対策日誌
42.12.25
米国原子力委員会は、中共が西部地区上空でTNT20キロトン以下の原爆の爆発実験を実施したと発表(時間不明)
42.12.25
午後1時から第61回放射能対策本部幹事会を開催、放射能対策について協議(科学技術庁、第2会議室)
42.12.27
午後3時30分から第62回放射能対策本部幹事会を開催、放射能対策について協議(科学技術庁、第2会議室)
42.12.29
午後3時30分から第63回放射能対策本部幹事会を開催、今回の中共核爆発実験に対する緊急調査体制を解除(科学技術庁、第2会議室)
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