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京都大学研究用原子炉施設の変更について(答申)



 原子力委員会は、京都大学から申請のあった京都大学研究用原子炉に関する原子炉等規制法に定める設置変更承認基準の適合について、内閣総理大臣から9月13日付けで諮問を受けた。

 以来安全性については、原子炉安全専門審査会に審査を指示し、12月6日に、審査会長から安全性は確保しうる旨原子力委員長に報告がなされた。

 さらに、委員会としては、審査会から報告があった安全性のほか、平和利用、計画的開発利用、経理的能力等についても、審査を行ない、設置の変更承認基準に適合する旨12月7日の定例会議で結論を得、同日付けで内閣総理大臣あてに答申した。

京大炉の変更計画概要

1. 変更の内容
 本変更は、1MWの熱出力を5MWに出力上昇を行なうもので、原子炉本体および付属施設は、従来のものとほとんど変更を要さない。

 出力上昇を達成するためには、1次冷却系循環ポンプの増設、熱交換器の増設、冷却塔の新設等主に冷却系の設備、能力を変更することによって行なわれる。

2. 変更の理由
 本原子炉は当初より5MWの熱出力を予定し建設された部分もあり、過去3年間の運転実績も得られたので、更に高度の研究等を行なおうとするものである。

3. 工事計画
 改造工事の予定は、昭和43年1月に着工して、4月に運転開始である。

 工事の主建設者は日本鋼管で、総工事費は、8,500万円である。

原子力委員会答申書

42原委第292号
昭和42年12月7日

 内閣総理大臣殿

原子力委員会委員長

京都大学研究用原子炉施設の変更について(答申)

 昭和42年9日13日付け42原第4372号(12月2日付け42原第5591号をもって一部訂正)をもって諮問のあった標記の件については、下記のとおり答申する。

 京都大学総長奥田東から昭和42年8月26日付けで提出のあった原子炉設置変更承認申請は、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律第24条第1項各号に規定する承認基準に適合しているものと認める。

 なお、同条同項第4号の基準の適合に関する原子炉安全専門審査会の審査結果は別添のとおりである。
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