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核融合専門部会の設置について


昭和42年5月25日
原子力委員会

1. 設置理由
 わが国における制御熱核融合に関する研究は、従来主として高温プラズマ現象の理解を深めるとともに、プラズマ実験に関する技術的基盤を養うという方針のもとに進められ、プラズマの体系的研究の分野では相当の成果を収めてきた。

 一方、海外においては、プラズマ物理の分野にとどまることなく核融合反応を実現しうる高温プラズマ発生装置の開発にその重点を指向するようになっている。

 このような最近における内外の研究の進展を考慮して、新原子力開発利用長期計画では、プラズマ物理に関する基礎的な研究の充実をはかるとともに、核融合を明確な目的とする総合的な研究開発を順次計画的に推進すべきであるとしている。

 この場合、前者の基礎的な研究については、主として大学に期待するものとし、後者の総合的な研究開発については、大学、民間企業の協力のもとに関係各機関において分担して行なうものとしている。

 したがって、後者の総合的な研究開発を推進するため、原子力委員会に核融合専門部会を設置して、その具体的な方策を検討することとする。

2. 諮問事項
 核融合反応の実現を目的とする研究開発に必要な第一段階の実験装置を開発するための具体的方策について諮問する。

3. 審議事項
(1)第一段階の実験装置の型式と規模について
(2)第一段階の実験装置の設計および製作ならびにこれによる実験等の研究計画について
(3)具体的開発体制および大学、民間企業に協力を期待する事項について
4. 設置時期 昭和42年5月

5. 構成
天城  勲  文部省大学学術局長
伊藤  博  大阪大学教授
宇尾 光治  京都大学教授
岡本 耕輔  理化学研究所主任研究員
神原豊三  (株)日立製作所中央研究所所長
菊池 正士  理科大学学長
駒形 作次  三菱原子力工業(株)顧問
嵯峨根 遼吉  日本原子力発電(株)副社長
関口  忠  東京大学教授
長尾 重夫  東北大学教授
伏見康治  名古屋大学プラズマ研究所所長
宮本 梧樓  東京大学教授
村田  浩  科学技術庁原子力局長
森  茂  日本原子力研究所東海研究所研究部核融合研究室長
森  英夫  通商産業省工業技術院電気試験所機器部長
山本 賢三  名古屋大学教授
吉村 久光  日本大学教授
和田重陽  東京芝浦電気(株)中央研究所所長
印は長期計画専門部会核融合分科会委員
印は参与又は他の専門部会委員
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