前頁 |目次 |次頁

原子力船懇談会(第3回)


第 3 回

〔日 時〕 昭和40年12月3日(金)14:30〜17:00

〔議 題〕
 1. 第1船建造費の値上り理由について
 2. 第1船を国産する場合の技術的問題点について (技術小委員会報告)
 3. 海外における軽水型舶用炉の開発現況について
 4. その他

〔審議概要〕
 1. 第1船建造費の値上り理由について
 「原子力第1船の予算と見積船価について」に基づき、日本原子力船開発事業団の岩崎、西堀両理事から説明があり、審議に入ったところ、原子炉部分における値上り理由につき次のような意見が述べられた。
(イ)原子力船専門部会において試算した原子炉部分の価格18億円は、それまでの実績を基にする限り決して不当なものではない。

(ロ)予算船価36億円が厳密な積算によるものでない以上、これと対応させての値上り理由の説明は不可能であろう。

(ハ)価格は直接建造にあたるメーカーとの交渉を通じて決まって行くもので、単なる積上げで決まるものではない。

(ニ)原子力船専門部会当時は、原子炉については輸入onlyで考えていた。政府は国産の方針を打ち出したが、国産の方が高くつくか安くできるか必ずしも適確な判断はくだせなかった。

(ホ)新しく開発するものは見通しが困難で、情勢の如何によって3〜4割は差が出てくるものだ。7月の終りに提示された60億円も情勢の変化によるもので、重要な部分で見落しがあったことによるものではない。

 なお、「艦艇の船価から見た原子力第1船の船価」については、次回に説明を受けることとなった。
 2. 第1船を国産する場合の技術的問題点について
 事務局において「技術小委員会報告書」の「審議結果」を朗読の後、同報告書につき嵯峨根委員から提出された要旨次のごとき補足意見を説明、了承された。

 すなわち、同報告書中WH社によるサービス提供が実現されない場合にも原子力第1船の建造に技術的に重大な影響をもたらすとは考えられないとあるのは、技術的可能性について述べたものであるに過ぎず、それ以上の意味を有するものではない。
前頁 |目次 |次頁