原研東海研究所原子炉施設の
変更に係る安全性について



 原子力委員会では、内閣総理大臣から日本原子力研究所東海研究所原子炉施設の変更(軽水臨界実験装置の燃料要素および安全板の追加に係る安全性について)40年12月7日付をもって諮問を受けたが、審査を行なった結果、次のように安全上支障がない旨答申した。

日本原子力研究所東海研究所原子炉施設の変更に係る安全性について(軽水臨界実験装置の燃料要素および安全板の追加)(答申)

(昭和40年12月9日付)

 日本原子力研究所東海研究所原子炉施設の変更(軽水臨界実験装置の燃料要素および安全板の追加)に係る安全性に関し、同研究所が提出した安全審査のための書類(昭和40年7月14日付40原研05第5号および昭和40年11月10日付40原研05第12号)に基づき審査した結果、本変更は安全上支障ないものと認める。

1 変更事項
 軽水臨界実験装置の燃料要素および安全板としてすでに認められているものの他に次のものを追加する。

(1)燃料要素 天然二酸化ウラン燃料棒 100本

          酸化トリウム燃料棒    約30本

(2)安全板カドミウム・アルミニウム製安全板

2 審査内容

(1)燃料

 変更に係る核燃料物質は、すでに認められている2.6%濃縮ウラン燃料と同時に使用するが、その量が少ないので、諸反応度係数に与える影響は小さく、2.6%濃縮ウラン燃料のみを用いた場合の動特性に大きな変更はないものと認められるので、安全上支障ない。

(2)安全板

 変更に係る安全板は従来のボラール製に比し若干薄いカドミウム・アルミニウム製で、燃料格子間隔の狭い炉心の場合に使用するものであるが、制御できる反応度も同等であり、強度も十分であるので、安全上支障ないものと認める。