原研東海研究所原子炉施設の
変更に係る安全性について



 原子力委員会は、内閣総理大臣から日本原子力研究所東海研究所原子炉施設の変更(JRR−4の変更)に係る安全性について、昭和40年9月25日付をもって諮問され審査を行なったところ、以下次のように安全上支障がない旨答申した。

日本原子力研究所東海研究所原子炉施設の変更に係る安全性について(JRR−4の変更)(答申)

(昭和40年10月8日付)

 日本原子力研究所東海研究所原子炉施設の変更(JRR−4の変更)に係る安全性に関し、同研究所が提出した「JRR−4原子炉施設の一部変更に関する書類」(昭和40年9月13日付)に基づいて審査した結果、別添の原子炉安全専門審査会の安全性に関する報告書のとおり安全上支障がないものと認める。

〔別添〕

原子炉安全専門審査会の報告

(昭和40年9月29日付)

I 審査結果

 日本原子力研究所東海研究所原子炉施設の変更(JRR−4の変更)に係る安全性に関し、同研究所が提出した「JRR−4原子炉施設の一部変更に関する書類」(昭和40年9月13日付)に基づいて審査した結果、同施設の変更に関する安全性は十分確保しうるものと認める。

II 審査内容

 本件は、
(1)原子炉の臨界到達後に行なわれた炉特性測定試験の結果、調整板の等価反応度が当初の計画値に達し  なかったための変更および原子炉の超過反応度は実験上当初の計画値を上まわらせる必要があるための変  更

                  計画値     変更値
   超過反応度        5.9%Δk/k  7.5%Δk/k以下
   粗調整安全板(4枚)  約 19%Δk/k  15.6%Δk/k以上
   微調整板(1枚)     約 0.5%Δk/k  0.4%Δk/k以上

(2)運転操作の円滑化を図るため、調整板の駆動速度の変更、および起動時における操作上のインターロ ックの変更

                       従来        変更後
  調整板の駆動速度      0.5%Δk/k/min 約1.0%△k/k/min
  調整板の操作インターロック  3枚同時操作   2枚同時操作
                        可能       可能

(3)警報およびスクラム項目の一部変更に係るものである。
 (1)については、原子炉の反応度停止余裕は当初の計画にくらべかなり低下するが、調整板の等価反応度 は、原子炉の超過反応度の200%をこえており、原子炉の反応度抑制効果は、変更後も保有されるものと認 める。
 (2)については、駆動速度の変更値1.0%Δk/k/minは従来の値の2倍であるが起動時および最大出力運転 時における引抜き事故の検討結果からみて安全上支障は認められず、また粗調整安全板の操作インターロックは安全側に変更されたものと認める。
 (3)については、個々に検討した結果、原子炉の安全を損なうことはないと認める。