放射線取扱主住者試験の実施

第1種10月4日、5日
第2種10月6日


 「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律施行規則」第34条の規定により、第1種放射線取扱主任者免状に係る放射線取扱主任者試験および第2種放射線取扱主任者免状に係る放射線取扱主任者試験を昭和39年10月4日(月)、10月5日(月)、および10月6日(火)に東京(東京工業大学)ならびに大阪(関西大学天六学舎)において行なった。受験申込者の内訳は第1種試験東京425名、大阪310名、計735名および第2種試験東京464名、大阪346名、計810名であった。
 なお、合格者の発表は11月下旬の官報において行なうとともに、科学技術庁掲示板に掲示する予定である。

第1種放射線取扱主任者試験問題

法令

 「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」及びその関係法令につき解答せよ。

第1問 許可使用者の使用施設の位置、構造及び設備の技術上の基準について箇条書に記せ。

第2問 下記の各項のごとき場合、科学技術庁長官の許可(変更許可を含む。)又は科学技術庁長官への届出(変更届出を含む。)が必要である事項にはそれぞれ許可又は届出の字句を、許可又は届出の両者とも不必要な事項には不必要な字句を番号順に記せ。

解答例:(11)許可
     (12)届出
     (13)不必要

(1)密封された1個100マイクロキュリーのラジウム226の針10個を使用しようとする場合

(2)密封されていない りん32 100ミリキュリーの使用者が、その使用施設を移転しようとする場合

(3)密封されていない いおう35 90ミリキュリーの使用者である法人が解散した場合

(4)研究室において使用することが認められている密封されていない放射性同位元素を、こん虫の疫学的調査のため、実験農場で広範囲に分散移動させ、一時的に使用しようとする場合

(5)許可を受けて放射性同位元素を使用している事業所において、放射線取扱主任者が米国に20日間出張し、その出張期間中に放射性同位元素を使用するため放射線取扱主任者の代理者を選任した場合

(6)密封された ラジウム226 20ミリキュリー4個の使用者が、その貯蔵施設の構造を変更しようとする場合

(7)密封された セシウム137 200ミリキュリー1個の使用者が、更に、密封されたセシウム137 100ミリキュリー1個を使用しようとする場合

(8)許可を受けて使用している密封されたコバルト60 15キュリー1個を、非破壊検査のため一時的に使用の場所を変更して使用しようとする場合

(9)密封された コバルト60 20キュリー2個及びセシウム137 10キュリー2個の使用者である法人の代表者が変わった場合

(10)新たに病院を開設し、治療用として密封されたコバルト60 30ミリキュリー3個を使用しようとする場合

第3問 次の文章中、正しいものには○印を、誤っているものには×印を、番号とともに記せ。なお、誤っているものについては、その理由を簡単に記せ。

(1)使用者は、その使用する放射性同位元素を保管廃棄する場合には、これを保管廃棄設備において行なわなければならない。

(2)放射性同位元素の使用者は、放射線障害予防規定を変更しようとするときは、あらかじめ、その旨を科学技術庁長官に届け出なければならない。

(3)放射線作業従事者に係る一定期間内における許容被曝線量は、3月間につき10レムである。ただし、皮ふ、手、前ぱく、足又は足関節のみに対する被曝については、20レムである。

(4)ある許可使用者の許可証には、密封されたコバルト60 100ミリキュリー及びセシウム137 200ミリキュリーの使用を許可する旨記載されており、

この許可使用者は、現在、この密封されたコバルト60 100ミリキュリー及びセシウム137 200ミリキュリーを所持している。この許可使用者は、更に密封されたラジウム226 100ミリキュリーを使用しようとして、許可使用に係る変更許可の申請を行なった。この許可使用者の許可証の「貯蔵能力」の欄には、「コバルト60換算500ミリキュリー」と記載されているので、この許可使用者は、変更許可を受ける以前に当該放射性同位元素を入手することができる。

(5)放射線施設に一時的に立ち入る者に対する被曝放射線量の測定は、被曝放射線量が30ミリレムをこえるおそれがある場合にのみ行なえばよい。

(6)放射線事故により20レム被曝したため、その集積線量がD=5(N-18)の式によって算出される許容集積線量を12レムこえてしまった放射線作業従事者がいる。この人の最大許容集積線量は、その被曝した日から、12レムを3レムで除して得た数の年数、すなわち4年を経過するまでの期間に限り、D=5(N-18)の式により算出される数値に12レムを加えた数値となる。

(7)許可使用者から放射性同位元素の運搬を委託された者は、この放射性同位元素を小型トラックによって運搬する場合には、運輸省令で定める技術上の基準に従って行なわなければならない。

(8)放射性同位元素の使用者は、放射性同位元素の使用、保管又は廃棄に関する事項、放射性同位元素によって汚染された物の廃棄に関する事項及びその他放射線障害の防止に関すを必要な事項を記載した帳簿を備え、この帳簿を1年ごとに閉鎖し、閉鎖後はこれを永年保存しなければならない。

(9)放射線作業従事者に対する健康診断において、中性子線、アルファ線及び重陽子線による被曝のおそれのある場合にのみ行なう必要があるのは、皮ふに対する検査または検診である。

(10)固体状の放射性同位元素は、保管廃棄設備において廃棄することが著しく困難である場合に限り、次に定めるところにより、容器に封入して海洋に投棄することができる。

(イ)封入する容器は、廃棄の際及び廃棄後において被損するおそれのない程度の強度を有し、水が浸透せず、かつ、腐食に耐えるものであること。

(ロ)容器に封入したときの比重が1.5以上であるものとすること。

(ハ)投棄する箇所の海洋の深さは、1,500メートル以上であること。

管理技術

第1問 密封されていない放射性同位元素を取り扱う施設における表面汚染の測定について次の問に答えよ。

(1)汚染測定を行なうことを、法令によって定められている室名をあげよ。

(2)(1)の室内でどんな箇所について測定すればよいか。具体的に示せ。

(3)(2)のそれぞれに対して適していると思われる測定方法は何か。

(4)測定を行なう時期および回数は法令でどのように定められているか。

(5)測定結果の記録の保存期間はいくらか。

第2問 密封されていない放射性同位元素を取り扱う施設の設計においては、そこで行なわれる作業による放射線障害の危険性を見積ることが重要である。この点について次の問に答えよ。

(1)この危険性は何によって決められるか。

(2)施設は、この危険性の順に従って室を配列する

ことがよいとされているが、その理由を述べよ。

第3問 次の文章の    のうちに入る適当な語句または数値を番号とともに記せ。また(2)の問に答えよ。

(1)放射性廃液を排水しようとしたが、その中の放射性同位元素の種類が明らかでない。その場合の排水しうる濃度は1   μc/cm3であるが、226Ra228Raは使用しなかったので、2   μc/cm3までは排水しうることになる。さらに3   などの核種も使っていなかったので7×10−7μc/cm3までなら排水してもよいことになる。

(2)この廃液の放射性同位元素の濃度は、RaDEFを標準として測定したところ、7×10-7μc/cm3をこえているらしいので、その放射性同位元素の種類を明らかにすることが必要になった。この場合によく用いられる3つの方法を列記せよ。第4問 物質に入射する前のγ線の強度をI0とすると、厚さx(cm)の物質を透過した後の強度Iは

              I=I0e−μx      (i)
で表わされる。ここにμ(cm−1)は線吸収係数である。しかし、一般には再生係数(build-up factor)Bを用いた

              I=I0Be-μx      (ii)

の式によってしゃへい計算を行なっている。これについて、次の問に答えよ。

(1)(i)が適用される場合の条件を述べよ。

(2)なぜ(ii)式で再生係数Bを考えなければならないか、その理由を述べよ。

(3)再生係数Bはどんな条件によって変化するか。

測定技術

第1問 端窓型GM計数管をそなえたβ線計数装置を用い、一連の試料について放射線計測を行ない、それらの結果を相互比較したい。その場合、測定試料の調製方法について留意すべきおもな事項を3つあげ、簡単に説明せよ。

第2問 次の文章の    のうちに入る適当な語句を番号とともに記せ。

(1)GM計数管を用いてβ線の測定を行なう場合、鉛しゃへいを施した計数スタンドの内面を原子番号の1   い物質、たとえば2   などで内張りするのは、β線の3   をなるべく減らすためである。

(2)低レベルの放射線測定を行なうためには、測定器のバックグラウンドをできる限り4   必要がある。このためふつうにとられる手段は、a.鉄または鉛による検出器のしゃへい、b.反同時計数回路の使用、およびc.検出器構成材料の選択である。a.は主として周囲の5   からの6   線を除き、b.は7   線の寄与を差し引くためのものである。C.は放射性同位元素をなるべく含まない材料を選ぶことであって、一般に8   などは悪く、9   10  などは良いと言われている。

第3問 α線、β線およびγ線のエネルギーを測定する方法をおのおの1つあげて簡単に説明せよ。

第4問 写真フィルムによって照射線量(レントゲン単位)を測定する方法は多くの利点を有し、フィルムバッジなどとして広く実用化されている。しかし、実際の線量測定にあたってはフィルムの特性上幾多の注意が必要である。そのうち3つをあげて説明せよ。

物理学

第1問 次の文章の    のうちに入る適当な語句を番号とともに記せ。

X線もγ線もともに1   であって、その分類は2   によるものではなく、その発生原因による。すなわち、X線は3   によるものであるのに対し、γ線は原子核の4   の変化によるものである。ただし5   6   による消滅放射線も7   に入れるのが普通である。X線には8   と特性放射線があり、後者はエネルギーが9   であることが、10   と類似している。

第2問 232Thはα崩壊する。このさい崩壊エネルギーはα粒子と娘核に分与される。崩壊エネルギーを4.07MeVとして、放出されるα線のエネルギーを計算せよ。

第3問 次の用語を簡単に説明せよ。

(1)オージュ電子(Auger electron)
(2)原子質量単位(atomic mass unit)
(3)ブラッグ曲線(Bragg curve)
(4)崩壊図(decay scheme)
(5)平均寿命(average life or mean life)

第4問 次の文章の    のうちに入る適当な語句または式を番号とともに記せ。

γ線は物質を透過するとき、物質中の電子によって1   を受ける。これをコンプトン効果という。一般に、この効果にあずかる電子は2   とみなしてよいので、電子1個あたりの散乱断面積をσeとすると、σe3   に関係がなく、原子番号Zの物質では、1原子あたりの散乱断面積σcompa4   となる。散乱を受けたγ光子のエネルギーと電子の受けとったエネルギーの割合によって、それぞれの断面積をσse(コンプトン散乱断面積)、σae(コンプトン吸収断面積)とすると

    σe=5    .

で表わされる。
 光電効果、コンプトン効果、電子対生成による1原子あたりの断面積を、それぞれσphotoa、σcompa、σpairaとすると、質量吸収係数μmはμm=N/A(σphotoacompapaira)で表わされる。ここに、Aは6   、Nは7   である、物質に吸収されるエネルギーの側から見れば、8   を引いて考えなくてはならない。これを考慮した質量吸収係数を9   といい

    μam=N/A (10   )

で示される。ただし、厳密には、吸収されたエネルギーのうち電磁放射線として出ていくものを考慮しなくてはならない。

化学

第1問 次の文章の    のうちに入る適当な語句または数値を番号とともに記せ。

(1)90Srは1   により原子番号39の90Yになる。90Yも放射性で、β-壊変により原子番号2   、質量数3   のジルコニウムの安定同位体になる。90Srの半減期(27.7年)は90Yの半減期(64.2時間)に比べてはるかに長いので、充分長時間の後には、両核種の間に4   が成立する。この状態においては、1mcの90Srと共存する90Yは5   mcであり、また90Srと90Yの重量の比は1:6   になる。

(2)放射線の照射によって起こる物質の化学変化を研究する学問は7   化学といわれる。放射線の照射により、物質の内部には励起、電離や解離が起こり、励起された原子、イオンや8   が生ずるので、化学反応が起こりやすくなる。ある種の高分子物質では、分子間の9   反応や10   反応が起こり、その性質がいちじるしく改良されることが知られている。

第2問 有機標識化合物の合成法として、次にあげる3つの方法を簡単に説明し、それぞれの長所、短所を1つずつ述べよ。

(1)化学的合成法(chemical synthesis)
(2)生合成法(biosynthesis)
(3)放射合成法(radiosynthesis)

第3問 1gの60Cuは何キュリーか。ただし60Cuの半減期は23.1分、アボガドロ数は6.0×1023とする。

第4問 ニッケル中に不純物として含まれるコバルトを定量する目的で、試料1gを原子炉で中性子照射した。

照射ずみの試料から200mgをはかりとって、塩酸に溶解し、これに非放射性のコバルトを10.0mg加え、イオン交換法によってコバルトを一部分純粋に分離した。その重量と60Coの放射能を測定したところ、それぞれ8.6mg、10,320cpmであった。

次に照射ずみの同一試料から別に200mgをはかりとって、塩酸に溶解し、非放射性のコバルトを20.0mg加えて、同様の操作でコバルトを一部分純粋に分離した。その重量と60coの放射能を測定したところ、それぞれ9.1mg、6,916cpmであった。このニッケルには何パーセント(重量)のコバルトが含まれているか。

生物学

第1問 次の各問に答えよ。

(1)イ)10mgのラジウム管(0.5mm白金濾過)から2cmのところに手指を近づけると、どんな種類の放射線に照射されるか。ロ)またそのときの吸収線量率はおよそどのくらいか。次の3者のなかから1つを選べ。

 (a)5ラド/時、(b)15ラド/時、(c)50ラド/時

(2)イ)10mcの32Pの溶液を中ほどまでみたしたガラス製小びんがある。このびんのふたをとりはずしたとき、口部から1cmのところに手指を近づけると、どんな種類の放射線に照射されるか。

  ロ)またそのときの吸収線量率はおよそどのくらいか。次の3者のなかから1つを選べ。

 (a)10ラド/時、(b)100ラド/時、(c)1,000ラド/時

(3)(1)または(2)の照射を比較的長期間にわたって、たびたびうけるときの身体の変化をそれぞれの場合について記せ。

第2問131Iの体内投与時の例について、生物学的半減期を説明せよ。

第3問 放射線源を背にして作業中、誤って身体のかなり広い範囲に照射を受けた人がいる。被曝直後、身体および衣服からは有意の放射能は検出されず、えり元につけた低線量用のフィルムバッジは測定範囲を超過しているために、線量を推定することは不可能であった。しかし、被曝者のめがねのレンズはごくうすく褐色に着色していたが、これは放射線の作用と考えられた。
 この場合次の問に答えよ。

(1)被曝した放射線の種類を記せ。
(2)被曝により発生すると考えられるおもな症状について、下記の各項の中から最も適当なものを1つ選び記号を記せ。

症状 (イ)下痢、胃腸出血などの胃腸症状
    (ロ)白血球減少、貧血などの造血臓器症状
    (ハ)けいれん、運動失調、こんすいなどの中枢神経症状
    (ニ)紅斑、脱毛などの皮膚の症状

(3)経過についても(2)と同様に記号を記せ。

経過(a)数時間以内に死亡する。
   (b)1週間ないし10日間で死亡する。
   (c)2週間ないし4週間で死亡する。
   (d)適当に治療を行なうと回復する。

第4問 次の文章の    のうちの適当なほうの語句または数値を選び、番号とともに記せ。

人の1(短 長)  期間全身照射では、被曝した個人の50%を死にいたらしめる線量は約2(40 400) ラドであろう。放射線による持続性の損傷は、致死線量範囲3(よりはるかに少ない線量 に近い大線量) を受けたときに現われる。また、比較的低線量の照線でも、持続性の影響4(も長期は間も 間後になく) でてくるかも知れないが、直後にあらわれる変化は5(永続性 一過性) のものである。しかし、上記の効果を生ずる線量よりもさらに低い線量でさえ、6(色素沈着 がん) 7(白血病 毛細管拡張症) 、遺伝的異常など有害な影響が8(高い率で 時として) 生じうることが明確になってきた。ある場合にはこれらの影響は、自然に発生するものか、あるいは放射線によるものかは簡単に区別できないようなものである。

第2種放射線取扱主任者試験問題

法令

「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」及びその関係法令につき解答せよ。

第1問 次の文章の    のうちに入る適当な語句又は数値を番号とともに記せ。

(1)放射性同位元素の貯蔵施設においては、しゃへい壁その他のしゃへい物は、同施設内の人が常時立ち入る場所において人が被曝するおそれのある放射線の線量を1   につき2   以下とする能力を持たなければならない。

(2)満29歳の放射線作業従事者の許容集積線量は、3   である。なお、この放射線作業従事者の集積線量を算出する場合、過去における被曝が明らかでないので、1年間につき4   の割合で被曝したものとみなして計算しなければならない。

(3)1個が5   以下の密封された放射性同位元素の使用は、「放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律」の規制の対象外となっている。

(4)6   以下の密封された放射性同位元素を使用しようとする者は、あらかじめ、放射性同位元素の種類及び数量、使用の場所、貯蔵施設の位置、構造、設備及び貯蔵能力その他総理府令で定める事項を科学技術庁長官に届け出なければならない。

(5)人体の被曝放射線量が1週間につき7   をこえるおそれのない場合は、放射線量及び粒子束密度の時間積分量を計算によって算出してよい。

(6)放射線作業従事者に係る一定期間内における許容被曝線量は、8   である。ただし、皮ふのみに対する被曝については9   、手、前ぱく、足又は足関節のみに対する被曝については10  である。

第2問 次の文章中、正しいものには○印を、誤っているものには×印を、番号とともに記せ。なお、誤っているものについては、その理由を簡単に記せ。(1)許可を受けて使用している密封されたセシウム137 9キュリーを非破壊検査のため一時的に使用の場所を変更する必要が生じたので、あらかじめ、その旨を科学技術庁長官に届け出た。

(2)放射性同位元素の種類及び数量の変更許可を受けた許可使用者は、その許可を受けた日から2箇月以内に、許可証を科学技術庁長官に提出し、許可証に記載された事項の訂正を受けなければならない。

(3)管理区域随時立入者の健康診断の記録は、5年間保存しなければならない。

(4)密封された放射性同位元素を耐火性の構造の容器に入れて保管する場合には、この容器を貯蔵室又は貯蔵箱に保管しなければならない。

(5)放射性同位元素の許可使用者は、許可証に記載された種類の放射性同位元素を所持することができる。

(6)放射性同位元素に関し、地震、火災その他の災害

が起こったことにより、放射線障害が発生するおそれがある場合又は放射線障害が発生した場合においては、この事態を発見した者は、直ちに、その旨を科学技術庁長官に通報しなければならない。

(7)放射性同位元素の使用は、届出使用者が放射性同位元素を使用する場合又は許可使用者が密封された放射性同位元素を随時移動させて使用する場合においては、使用施設で行なう必要がない。

(8)放射性同位元素の販売所のうち、第2種放射線

取扱主任者免状を持つ者を放射線取扱主任者に選定することができるのは、10キュリー以下の密封された放射性同位元素のみを販売する販売所である。

第3問 管理区域随時立入者の被曝線量について、次の各問に答えよ。

(1)管理区域随時立入者の許容被曝線量は、どのように定められているか。

(2)管理区域随時立入者の被曝放射線量が上記の許

容被曝線量をこえないようにするために必要な措置を3つあげて簡単に説明せよ。

管理技術 I

第1問 次の文章の    のうちに入る適当な語句または数値を番号とともに記せ。

キュリーという単位は、1gの1   の放射能に基づいて定められたが、現在は毎秒2   個の崩壊を起こす放射性同位元素の3   として定義されている。

崩壊定数λ(sec-1)のn個の放射性原子(または原子核)は、毎秒4   の割合で崩壊する。半減期をT(sec)とすると、原子量Aの放射性同位元素x(g)は、毎秒5   の割合で崩壊する。ここにN0はアボガドロ数(N0=6.0×1023)である。したがって、そのキュリー数はAとTとxとで表わすと6   となる。放射性同位元素1gあたりの放射能を7   といい、これをAとTとで表わすと8   で与えられる。

第2問 次の(a)〜(e)の測定に最も適していると思われる測定器あるいは測定法を、(イ)〜(ホ)の中から選べ。(解答例(f)〜(ヘ))

(a)γ線源輸送容器の表面における線量率
(b)大きい被曝を予想される緊急作業における個人被曝量
(c)個人の月間の集積線量
(d)居住区域の空間線量率
(e)照射室の床の汚染

(イ)ふきとり法(smear testing method)
(ロ)電離箱式サーベイメーター
(ハ)GM計数管式サーベイメーター
(ニ)フィルムバッジ
(ホ)直読式ポケット線量計

第3問 次の文章の   のうちに入る適当な語句または数値を番号とともに記せ。


60Coの崩壊図はおよそ上のごとくであり、1   崩壊につづいて2   MeVおよび3   MeVのγ線を放出することがわかる。60Coの20mcの密封線源がある場合、線源より1mの距離における線量率は、次式より算出すると、4   mr/hである。

Q:線源のキュリー数(c)
E:放射線のエネルギー(MeV)
d:線源よりの距離(m)

もし、線源より2mはなれると、その線量率は5   に減少する。これは6   とよばれる関係である。したがって、平素より事故にそなえて7   などの遠隔操作用具を用意しておくことが大切である。いずれにせよ、放射線作業従事者は被曝線量をへらすことに留意し、そのために必要な三原則である8   9   10   を忘れてはならない。

第4問 次の語句を簡単に説明せよ。

(1)レム
(2)突然変異
(3)生物学的半減期
(4)外部被曝
(5)半致死線量

管理技術 II

第1問 次の各問において、(イ)〜(ニ)のうちから、正しい数字を選べ。(解答例(6)〜(ロ))

(1)一定の線源を同一の条件で計数するさい、計数時間を16倍にすれば、得られる計数率の標準偏差は

  (イ)1/2、(ロ)1/4、(ハ)1/8、(ニ)1/16

(2)半減期の10倍の期間における放射能の減衰はおよそ

  (イ)1/10、(ロ)1/100、(ハ)1/1000、(ニ)1/10000

(3)不感時間200μsecのGM計数管を用いて得られた計数率が30,000cpmのときの数えおとしの割合はおよそ

  (イ)2%、(ロ)5%、(ハ)10%、(ニ)20%

(4)試料の全計数率100±6cpm、バックグラウンド計数率10±3cpmのときの真の計数率はおよそ

  (イ)90±9cpm、(ロ)90±7cpm、(ハ)90±5cpm、(ニ)90±3cpm

(5)1MeVのγ線に対する鉛(比重11.3)の質量吸収係数は0.0703cm2/gである。したがって、その線吸収係数は

  (イ)7.94cm-1、(ロ)0.794cm-1、(ハ)0.623cm-1、(ニ)0.00623cm-1

第2問 左側と右側の語句において最も関係の深いものを選び組み合わせをつくれ。(解答例(11)〜(ル))

(1)コンプトン散乱   (イ)電子ボルト
(2)γ線        (ロ)核子
(3)断面積       (ハ)反跳電子
(4)陽電子       (ニ)質量欠損
(5)放射性崩壊     (ホ)高速荷電粒子
(6)エネルギー     (ヘ)バーン
(7)核融合       (ト)半減期
(8)原子核       (チ)単色放射線
(9)荷電粒子の飛程   (リ)消滅放射線
(10)デルタ線      (ヌ)阻止能

第3問 エネルギーの高いβ線源をしゃへいする場合に考えなければならない重要な事項を述べよ。

第4問 次の文章の    のうちに入る適当な語句を番号とともに記せ。

放射線に被曝した場合、個人およびその1   に障害を起こすおそれがある。これらをそれぞれ2   的障害および3   的障害とよんでいる。放射線防護の目的は、2   的障害を防止するかあるいは最小にとどめるとともに、集団の3    4    の劣化を最小にすることにある。
 身体の臓器および組織はいろいろ程度の異なる放射線感受性を持っている。したがって、防護の目的のためには、身体の臓器および組織が受ける5   ばかりでなく、それらの機能とそれぞれの放射線感受性を関連させて考える必要がある。このことを考慮に入れると、臓器や組織が放射線をどんな状態で受けたかによって、ある臓器および組織が特別に重要性を持つことになる。そのときこれらは6   臓器あるいは6_組織とよばれている。7   がだいたい均一に照射される場合に、上記の臓器あるいは組織としては8   9   および10   が考えられている。これら組織は、身体全体としての必要な機能と放射線感受性とを関連させて決められたものである。