39年3月25日決定 昭和39年度における核原料物質の探鉱については、前年度に引き続き、主として堆積岩地域を対象として行なうこととする。 1. 地質調査所の行なう探査 (1)放射能強度分布概査 次の地域(面積計12,000平方キロメートル)について、カーボーン調査を行なうほか、地質鉱床概査を実施して、放射能強度の分布状況を調査する。 (イ)カーボーン調査 福島県北部、長野県南部、和歌山県南部、山口県北東部の各地域 (ロ)地質鉱床概査北海道南部、山形県、福島県、新潟県、岐阜県、大分県、宮崎県等 (2)放射能異常地調査および鉱床調査昭和38年度までの放射能強度分布概査の結果、放射能強度が特に異常な次の地区に対し、放射能異常地調査を実施して新鉱床の発見につとめる。 岐阜県土岐地区北部、岐阜県御嵩地区 (3)探査技術の向上に関する研究 2. 原子燃料公社の行なう探鉱 (1)人形峠鉱山およびその周辺 昭和38年度に引き続き、中津河に約100メートル、長者に約150メートルの坑道探鉱を実施し、鉱床の賦存状況を解明するとともに、長者、十二川および高清水において試すい探鉱および地表調査を実施し、既知鉱床の拡大につとめる。また、これらの試すい探鉱および地表調査により十二川鉱床と東郷鉱山の神ノ倉鉱床との関連を追求する。 (2)東郷鉱山およびその周辺 昭和38年度に引き続き神ノ倉に重点をおき、約1,700メートルの坑道探鉱を実施し、第2および第3鉱体の解明につとめる。また、試すい探鉱により既知鉱床の拡大につとめるとともに、鉛山、十二川および神ノ倉各鉱床間の関連を追求する。 (3)奥丹後地区 昭和38年度までに実施した探鉱の結果、本地区の鉱床はきわめて有望なものと期待されるに至ったので、本年度から本格的な探鉱に着手することとし、地表調査、化学探鉱、電気探鉱、試すい探鉱等を実施して新露頭の発見、基盤構造の解明および既知鉱床の拡大につとめる。 (4)その他の地区 昭和38年度に探鉱を実施し、かなりの成果をみた岩手県花巻、新潟県上赤谷、福島県車峠、岐阜県土岐津(東濃)、鳥取県仏ヶ仙、島根県石見大田、鹿児島県垂水等の各地区に対し、本年度も引き続き地表調査、化学探鉱、Uスコープ調査、試すい探鉱等を行なうこととする。 |