原子力第1船基本設計

間接サイクル軽水型炉として原子力委員会了承


 原子力委員会は2月12日(水)の定例会議で日本原子力船開発事業団が、原子力第1船の建造見積仕様書を39年7月までに作成するため、基本設計をすすめるに当り、原子炉の型式を「間接サイクル軽水型」と決め、主要な項目を設定し作業を進めることを了承した。
 原子力第1船は海洋観測船で総トン数約6,000トン、出力約10,000馬力、原子炉は熱出力約35MW、間接サイクル軽水減速冷却型である。
 主要項目の設定に当って、日本原子力船開発事業団は、日本原子力船研究協会で行なった原子力海洋観測兼補給船の設計研究をモデルタイプとし、さらに原子力船の国際性にかんがみ、外国の基準をも十分に考慮し、舶用炉としての適応性を確認できる範囲で技術的進歩も考慮することとした。これらの条件から原子炉は間接サイクル強制循環方式をとり、一次系圧力約105kg/cm2、温度278℃(2次系圧力40kg/cm2、温度251℃)とし、炉心内で一部沸騰を許すものとしている。
 燃料は低濃縮酸化ウランペレットを用いている。また船体の運航方式についても最近の自動化技術をとり入れ乗組員の減少をはかっている。
 なお原子力第1船の建造費は36億円(一次装荷燃料費、燃料交換施設費等を除く)、また建造スケジュールは39年10月建造契約、40年起工、41年進水、43年には臨界に達し、年度内に竣工引渡しが行なわれることとなっている。