原子力局

第14回数射線審議会について


 第14回放射線審議会は、昭和38年7月15日、赤坂プリンスホテルにおいて開催され、薬局等構造設備規則等の一部改正、電離放射線障害防止規則の改正および人事院規則の一部改正について審議会長からそれぞれの所管大臣あて答申された。前2者については、すでに昭和38年3月23日および同月26日それぞれ厚生大臣ならびに労働大臣から当番議会に諮問があり、昭和38年3月26日開催の第13回放射線審議会において特別部会が設置され、審議が重ねられていたものである。後者については、昭和38年7月5月人事院総裁から諮問されたのであるが、以後電離放射線障害防止規則の改正のための特別部会において並行して審議された。
 また、第14回放射線審議会においては、昭和38年7月11日内閣総理大臣から諮問のあった「放射性物質の大量放出事故に対する応急対策の放射線レベルについて」について、審議されたが、災害対策特別部会を設置して審議を付託することになった。
 なお、上記に関する諮問、答申、特別部会等は下記のとおりである。


1.薬局等構造設備規則等の一部改正

(1)諮問書
 放射線審議会
 薬局等構造設備規則等の一部を改正することについて、放射線障害防止の技術的基準に関する法律(昭和33年法律第162号)第6条の規定に基づき、会の意見を求める。

昭和38年3月23日

厚生大臣 西村英一

(2)答申書

昭和38年7月26日

      厚生大臣 小林武治殿 

放射線審議会会長 木村健二郎

薬局等構造設備規則等の一部改正について(答申)

 昭和38年3月23日付厚生省発薬第39号をもって当審議会に諮問のあった「薬局等構造設備規則(昭和36年厚生省令第2号)」、「放射性医薬品製造規則(昭和36年厚生省令第4号)及び薬事法施行規則(昭和36年厚生省令第1号)」の一部改正については、昭和38年3月26日の第13回放射線審議会総会において薬局等構造設備規則等の一部改正のための特別部会を設置してこれらの審議を付託した。
 同特別部会は、昭和38年6月11日の会合において慎重に審議を行ない、同年7月19日の第14回放射線審議会総会においてその結論を得たので、当審議会はここに下記のとおり答申する。


 おおむね貴案のとおりで適当であると考えるが、なお次の点について考慮すること。

1.薬局等構造設備規則別表第5及び放射性医薬品製造規則別表第1中の「ラジウム226(226Ra)、その化合物及びそれらの製剤」を「ラジウム226(226Ra)の化合物及びその製剤」に改めること。

2.薬局等構造設備規則別表第6にヨウ素125(125I)についての空気中及び水中の許容濃度を記載すること。

(3)特別部会

構成   部会長 委員   刈米達夫
 〃    小沢龍
〃   塚本憲甫
〃    宮川正

専門委員 江藤秀雄
〃  岡本十二郎
〃    筧弘毅
〃    鈴木治
〃   長沢佳熊
〃  村上悠紀雄
〃   山下久雄

開催回数1回(昭和38年6月11日)

2.電離放射線障害防止規則の改正

(1)諮問書

放射線審議会殿

 労働基準法に基づく電離放射線障害防止規則の改正に関し、別添「電離放射線障害防止規則改正案要綱」について貴会の意見を問う。
 上記のとおり諮問する。

      昭和38年3月26日

労働大臣 大橋武夫

(2)答申書

昭和38年8月7日

      労働大臣 大橋武夫 殿

放射線審議会会長 木村健二郎

電離放射線障害防止規則の改正について(答申)

 昭和38年3月26日付労働省発基第28号をもって当番議会に諮問のあった「電離放射線障害防止規則(昭和34年労働省令第11号)の改正」については、同日の第13回放射線審議会総会において電離放射線障害防止規則改正のための特別部会を設置してその審議を付託した。
 同特別部会は、昭和38年5月1日以降6回にわたって会合を重ね、慎重に審議を行ない、同年7月19日の第14回放射線審議会総会においてその結論を得たので、当番議会はここに下記のとおり答申する。 なお、本規則の施行にあたっては、他の関係法令との関係について円滑な運用をはかるようとくに配慮されたい。


1.放射性物質の定義において密封線源については100マイクロキュリー以下のものを除外すること。

2.管理区域の設定基準は、1週間につき30ミリレムとすること。

3.放射線業務従事者の被ばく限度のうち、年間線量で規定しているのを集積線量で規定するよう改めること。
 なお、放射線業務従事者の解釈が明確になるよう考慮すること。

4.「線錘の制御」を具体的に表現すること。

5.放射線装置室に設置することが困難な放射線装置については、実態に合致するよう除外規定を設けること。

6.立入禁止区域は、ガンマ線照射装置についても半径5メートルとし、かつ、低照射線量率の区域について除外規定を設けること。

7.被ばく線量の測定は、管理区域内において作業に従事する労働者について行なうこと。
 なお、中性子線による被ばく線量の測定は、計算によって算出できるよう除外規定を設けること。

8.被ばく線量の測定結果の記録は、被ばく線量の低い労働者について、3月ごとに1回とすること。
 なお、被ばく線量の1日ごとの記録については、被ばく線量が高いとみなされる労働者についてそのチェックのみを行なうこととする。

9.放射性物質取扱作業室等以外の場所の濃度は、週平均濃度で規定し、かつ、原子炉運転業務については核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律の規定と斎一を図ること。

10.放射性物質の運搬容器については、こん包する場合を考慮すること。
 なお、管理区域内において放射性物質を運搬する場合の容器について除外規定を設けること。

11.エックス線主任者制度について、放射線取扱主任者制度との調整を図ること。

(3)特別部会

構成 部会長 委員 山崎文男
〃  小沢龍
〃 勝木新次
〃  島史朗
〃 田島英三
〃  宮川正
専門委員 伊沢正実
〃 伊藤岳郎
〃 尾内能夫
〃  筧弘毅
〃 勝沼晴雄
〃 浜田達二
〃 藤井正一
〃 前田一雄
〃 丸山正倫
〃 宮永一郎
〃 渡辺博信

開催回数 6回 (昭和38年5月11日、同16日、同27日、6月10日、同19日、7月11日)

3.人事院規則の一部改正

(1)諮問書

昭和38年7月5日

    放射線審議会会長 殿

人事院総裁

放射線障害防止の技術的基準について

 職員の放射線障害の防止について、別紙基準により人事院規則等を改正いたしたいので、放射線障害防止の技術的基準に関する法律(昭和33年5月21日法律第162号)第6条の規定に基づき諮問いたします。

以上

(2)答申書

昭和38年7月26日

人事院総裁 佐藤達夫 殿

放射線審議会会長 木村健二郎

放射線障害防止の技術的基準について(答申)

 昭和38年7月5日付職厚−1196号をもって当番議会に諮問のあった「職員の放射線障害防止に関する技術的基準」については、昭和38年7月19日の第14回放射線審議会総会において審議したところ、貴案のとおり適当であるとの結論を得たのでこの旨答申する。
 なお、本規則の運用にあっては、電離放射線障害防止規則(昭和34年労働省令第11号)と均衡を失しないよう特に配慮されたい。

4.放射性物質の大量放出事故に対する応急対策の放射線レベルについて

(1)諮問書

昭和38年7月11日

    放射線審議会会長 木村健二郎殿

内閣総理大臣 池田勇人

放射性物質の大量放出事故に対する応急対策の放射線レベルについて(諮問)

 災害対策基本法に基づく、防災業務計画中、放射性物質の大量放出事故に対する応急対策に関する部分に記載すべき放射線レベルをいかに設定すべきかについて、放射線障害防止の技術的基準に関する法律(昭和33年法律第162号)第6条の規定に基づき諮問する。

(2)特別部会

構成 委員    嵯峨根遼吉
〃      島史朗
〃     田島英三
〃      西脇安
〃     塚本憲甫
〃     檜山義夫
〃      宮川正
〃    森脇大五郎
〃 科学技術事務次官
〃   厚生事務次官
〃   農林事務次官
〃   運輸事務次官
専門委員    伊沢正実
〃     江藤秀雄
〃      筧弘毅
〃     川畑幸夫
〃     黒川良康
〃    楢崎健次郎
〃     牧野直文
〃     守谷忠雄
〃     吉岡俊男
〃     脇坂清一