日本原子力研究所の給与制度の基本方針について

 原子力平和利用研究の推進は、国の基本的な課題であり、国はこのため、単に最高水準の研究環境の整備を図るのみならず、とくに優秀な研究者の確保に努めることが要請される。

 日本原子力研究所は、これらの要請を満たすための中核として設立されたものであるので、その研究者の処遇については、この種政府関係機関のうちで最も高いばかりでなく、民間を含めて考えても相当上位の水準のものとすることを基本的な考え方とすべきである。さらに原子炉およびその付帯設備の運転に関連する職務に従事する者については、その職務がとくに社会的責任の加重されるものであることに鑑み、特殊の考慮を払うことが適当である。また、上記以外の職員については、他の類似の職域における同種の職務にある者との均衡を考慮する必要があると考える。

 原子力委員会としては、上述の基本方針に沿って、日本原子力研究所設立の経緯を考慮しつつ、漸次同研究所の給与制度の適正化を図っていくべきであると考える。