放射能調査委託関係地方衛生研究所長会議の開催

 昭和32年度から原子力予算により放射能調査の一部を都道府県の衛生研究所に委託してきたが、昭和36年9、10月の核爆発実験再開に伴い、再びわが国の放射能が漸増してきたのみならず、この春から夏にかけて放射能が増加することが考えられるので、現在地方公共団体に委託している24都道府県の衛生研究所長会議を3月22日科学技術庁において開催した。

 当会議の開催目的および議事は下記のとおりであるが、開会に当り三木科学技術庁長官から放射能調査、対策の重要性と必要な対策の予算措置はいつでも構じる用意がある旨の挨拶があった。午前中は杠局長以下当局側の放射能調査対策に関する講演、説明を行ない、午後は主として都道府県側から委託調査実施状況、対策等の状況報告や都道府県の要望、質疑が活発に行なわれた。

 なお、当日の会議の出席者は別表のとおりである。

放射能調査委託関係地方衛生研究所長会議の開催

1 目的
 放射能調査の重要性に鑑み、放射能調査業務の一部を委託している地方公共団体の衛生研究所(24ヵ所)の所長会議を開催し、特に昨年秋の核爆発実験後のわが国の放射能調査、対策の認識を深めると共に、今後の調査委託業務の円滑なる実施を図ることを目的とする。

2 期日
 昭和37年3月22日(木)午前10時より

3 開催場所
 科学技術庁第3、4会議室(東京都千代田区霞ヶ関3−4 文部省ビル5階)

4 議事
(1)午前の部(10:00−12:40)

大臣挨拶 三木科学技術庁長官
挨  拶 杠 局長
放射能対策本部の活動状況 井上 次長
37年度放射能調査委託計画 山口 技官
欧米の放射能調査、対策の状況 広岡 技官

(2)午後の部(13:30−16:30)

事務連絡(分析用試料の採取、調整、送付等について)
委託調査実施状況報告 司会 鈴木 課長

委託調査(独自の調査、分析を含む)の状況、都道府県の調査、対策の状況、組織、問題点等につき主要衛生研究所からの報告、1ヶ所5〜20分

要望および質疑応答 司会 鈴木 課長

別 表    放射能委託関係地方衛生研究所所長会議出席者