核燃料経済専門部会審議状況

 核燃料経済専門部会は現在までに3つの中間報告書を提出したが,これらの報告書において,プルトニウムを核的にウラン235と等価と仮定した場合のプルトニウム再使用による核燃料の物量的節約効果,燃料サイクルを構成する要因としてのウラン濃縮の技術的可能性と経済性の問題およびわが国で再処理を行なう場合の経済性についてそれぞれ検討を行ない,問題点を明らかにしてきた。

 この階段において,同専門部会では部会の今後の運営について論議が交わされたが,その結果さらに検討を加えるべき問題点は幾多残されているが,これらの問題点はなお発展途上にあり,今直ちに数値的に論ずることは困難であるため,燃料サイクルを総合的に検討し早急に最終的結論を出すことはできないので,この機会にこれまでの作業の結果を取りまとめて原子力委員会あて答申を行なうこととなった。

 以上の経緯を経て,本部会は答申書のまとめにはいり,現在同部会答申書第5次案の検討がすすめられている。この答申書は5章からなり,第1章は総説として答申に至るまでの概略を記し,2,3,4章においてはそれぞれ第1,2,3次中間報告書の主要な点について触れ,第5章は今後残された問題点として,今後何らかの形で行なわなくてはならない問題についてのべている。

 なお,本答申書は予定通り審議が進めば本年3月には提出のはこびとなる予定である。

核燃料経済専門部会審議経過