原子力委員会

三菱電機(株)の原子炉設置計画について

 三菱電機(株)の原子炉の設置について昭和37年1月16日内閣総理大臣あて、許可申請があり、1月20日原子炉安全専門審査会に諮問し、第6部会が設定され審査を開始することとなった。その計画の概要は次の通りである。

1.原子炉の使用目的
  原子炉製作技術の研究、原子炉物理、中性子による物性研究、遮蔽実験等に使用。

2.原子炉の型式、熱出力、燃料
  型 式 濃縮ウラン軽水減速冷型
  熱出力 連続最大 30kW
  燃 料 濃縮度約13%(ウラン235換算量で約2.5kg)
  基 数 1基

3.原子炉の設置場所
  名 称 三菱電機(株)研究所東海分室
  所在地 茨城県那珂郡東海村字舟石川

4.原子炉の特徴
  この原子炉の制御棒駆動装置は下部駆動方式を採用している。

5.建設計画
  工事工程は着工してから約13ヶ月で建設を終了する予定である。この間に核燃料を人手加工し、建設終了後約3ヶ月で臨界試験を終了し、正規出力運転に入る計画である。

6.資金計画
  総工費約4億6,000万円で、そのうち約1億4,000万円を三菱原子力工業(株)が分担し、残り3億2,000万円は自己資金および市中銀行融資による予定である。

  なお、運転経常費については年間約5,500万円の支出を予定している。