原子力局

I　試験の内容

１原子炉主任技術者試験は、昭和32年12月９日に施行された核原料物質、核燃料物質および原子炉の規制に関する法律第41条に基づいて原子炉主任技術者免状を交付する資格があるかどうかを判定するための試験で今回（昭和37年３月）が第４回に当たる。

２（試験の方法）試験は、筆記試験と口答試験に分れる。

３（受験の資格）筆記試験は、誰でも受けられる。国籍、年令、性別、学歴等資格を問わない。口答試験は、筆記試験に合格した者で、かつ次の各号の一に該当する者でなければ受けられない。

イ　原子炉の運転に関する業務に６ヵ月以上従事したこと。
ロ　科学技術庁長官の指定した講習機関等で原子炉の運転に関する業務を修了したこと。「科学技術庁長官の指定した講習機関等」というのは、現在次のとおりである。

①　日本原子力研究所原子炉研修所の一般課程
②　アメリカ合衆国のアルゴンヌ国立研究所（Argonne National Laboratory）の国際原子核科学工学研究所（Intemational Institute of Nuclear Science and Engineering）（組織改正前における国立アルゴンヌ国際原子炉学校（International School of Nuclear Science and Engineering）を含む。）
③　アメリカ合衆国のシッピングポート原子力発電所（Shippingport Atomic Power Station）の原子力発電所訓練課程（Nuclear Power Plant Training Program）
④　アメリカ合衆国のオークリッジ国立研究所（Oak Ridge National Laboratory）のオークリッジ原子炉技術学校運転管理課程（Operation Supervision Course of Oak Ridge School of Reactor Technology)
⑤　アメリカ合衆国のマサチュセッツ工科大学工学部（Massachusetts Institute of Technology School of Engineering）の原子核工学科（Department of Nuclear Engineering）大学院修士課程
⑥　カナダ国のチョークリバー原子炉学校（Chalk River Reactor Scbool）
⑦　連合王国のコールダー原子炉運転学校（Calder Reactor Operation School）
⑧　連合王国の原子力研究所（Atomic Energy Reseach Establishment）のハーウエル原子炉学校（Harwell Reactor School）の16週間課程
⑨　フランス国の国立原子核科学工学研究所（Institute National des Science et Techniques Nucleaires）の原子工学課程（Cours de Genie Atomique）

筆記試験に合格した者は、次回以降も口答試験を受けることができる。

４　（筆記試験の課目）筆記試験は、原子炉主任技術者の職務を行なうに必要な専門的知識を有するかどうかを目的として

　イ　原子炉理論
　ロ　原子炉の設計
　ハ　原子炉の運転制御
　ニ　原子炉燃料・原子炉材料
　ホ　放射線測定および放射線障害の防止ヘ原子炉に関する法令の各事項について行なわれる。その程度は、概ね大学卒業程度である。

５　（筆記試験の合格者）筆記試験の合格者については、その氏名を官報で公告するとともに、合格証を交付する。

６　（口答試験の内容）口答試験は、原子炉の運転を行なうに必要な実務的知識を有するかどうか判定することを目的として、事項を限定せずに行なわれる。

７　（口答試験の合格者）口答試験の合格者については、その氏名を官報で公告するとともに原子炉主任技術者免状を交付する。

８　（試験の時期）原則として、毎年１回行なう予定である。

II　受験の手続

１　受験しようとする者は、原子炉の設置、運転等に関する規則第20条の２の規定により、履歴書、戸籍抄本および写真（受験申込前１年内に帽子をつけないで撮影した正面上半身像の手札形（縦12センチメートル、横８．５センチメートル）のもので、裏面に撮影年月日および氏名を自書したもの）ならびに受験票の送付先を記した封筒を添えて提出すること。
２　受験申込書には、千円の収入印紙をはること。ただし消印をしてはいけない。
３　受験の申込期間は、昭和37年２月１日から昭和37年２月28日までである。
４　受験申込書の提出先は、科学技術庁原子力局原子炉規制課（東京都千代田区霞ヶ関３丁目４番地）で、提出の方法は、持参でも書留郵便による郵送でも構わない。
５　受験申込書に記載されている現住所を変更したときは、そのつど、氏名および受験番号を明らかにして、その旨を届け出ること。
６　なお、受験票は、受験の申し込みを締め切った後送付する。

III　試験の日時および場所

１　筆記試験の日時（午前９時～正午）（午後１時～午後４時）

２　筆記試験の場所

　　東京都目黒区大岡山１番地　東京工業大学

３　筆記試験の合格者の発表は、４月中旬に官報に公告し、筆記試験合格証を本人あて送付する。