原子力局

放射線審議会に対する諮問

 昭和36年11月10日午後2時30分から東京会館において、第10回放射線審議会総会が開催され、内閣総理大臣、厚生大臣、農林大臣から放射線審議会会長宛下記のごとき諮問が出された。

36原第3632号
厚生省発第44号
昭和36年農会第1509号

放射線審議会会長殿

内閣総理大臣
厚生大臣
農林大臣

放射性降下物の人体への影響に関する基本的な考え方について

 最近の核実験再開に伴い、わが国においても放射性降下物による環境放射能の増加が見られているが、これの人体への影響についての根本的な考え方を確立することが緊要である。

 この問題に関し、国民にとって警戒を要すべき基準線量について、貴審議会の意見を求める。なお、昭和36年9月米国連邦放射線協議会(U.S.Fedeal RadiationCouncil)が大統領あて提出した「連邦行政機関のための放射線防護基準」(Radiation Protection Guide)に関する覚書および昭和35年12月公表された英国医学研究協議会(Medical Research Council)の第二回報告書第6章中核兵器の試験爆発に関する第174節ないし第188節が重要な関連を有すると思われるので、これらについても貴審議会の意見を求める。

 以上の諮問に基づいて、同総会において環境放射能特別部会の設置が決議せられた。