昭和35年度における核原料物質

および核燃料物質の輸入状況

 昭和35年度における核原料物質および核燃料物質の海外からの輸入状況を外貨割当の実績からまとめると次頁の表のようになっている。

 外貨割当総額は約40万ドル、輸入総件数は56件であった。このうち総額の約2/3に当る26万ドルがカナダからの輸入にあてられ、以下、米、独、英、仏、ベルギーの順になっている。

 物質別にながめると、ウラン精鉱(イエローケーキ)の輸入額が約23万ドルで第1位を占めており、これは主としてカナダからのもので、量的には約20トンで、そのうち16トンが原子燃料公社の精製還元用に供された。

 その他、金属ウラン、酸化ウラン、ウラン化合物、トリウム類、劣化ウラン等は試験研究用としての小口輸入である。

 また35年には、JRR−1の燃料が輸入されて以来フィッションチェンバーとしてわずかにグラム・オーダーであった濃縮ウランの輸入量がU−235量にして20kgに増加した。これは原子力研究所のJRR−2用の燃料として約4kg(U−235量)、半均質臨界実験装置の燃料として約15kg(U−235量)が米国より供給されたことによるものである。

 なお昭和34年度における輸入量に比らべると、ウラン精鉱は約4トン、酸化ウランを含むウラン化合物は約600kgの増加を示し、金属ウランは約4.9トン、トリウム類は約3.3トンの減少となっている。

核原料物質および核原料物質35年度輸入量および外貨使用量