日本原子力研究所の技術輸入について

 日本原子力研究所では、JRR-2に関連して2件の技術導入の申請を行なっていたが、このほどこれらの導入は適当であると認められた。その内容の概略は次のとおりである。

JRR-2の出力上昇のための予備実験に対する技術指導

1.輸入相手
 アメリカ原子力委員会

2.技術の内容
 JRR-2の出力上昇のための予備実験に対して技術上の指導をうる目的で、アルゴンヌ国立研究所でCP-5型原子炉の始動、運転、この原子炉を用いる実験のための装置の開発、また出力上昇のための設計変更等に多くの経験をもつHerbert Charles Stevens氏を招へいし、今後この型の原子炉運転計画の推進に万全を期する。

 アルゴンヌ国立研究所から期待する技術援助の内容は次の通りである。

1.6000GPMフロー試験
2.温度係数の測定
3.中性子束の測定
4.原子炉動特性の測定
5.コロージョンループ試験
6.制御棒特別駆動試験

3.援助の方法
 アルゴンヌ国立研究所よりH. C. Stevens氏を約1ヶ月間原子力研究所東海研究所に招へい、上記項目について直接指導を受けまた有効適切な助言を供与してもらう。

4.送金事項
 技術指導料:米ドル2,220ドル

水ループおよびガスループの設計に関する技術指導

1.輸入相手
 Vitro International,A Division of Vitro Corporation of America

2.技術の内容
 JRR-2に設置するループに関連し、次の事項について技術的指導をうける。

(1)大型水ループおよびガスループの設計図の検討
(2)炉内部分の製作経験および検査
(3)サンプルの保持機構
(4)サンプル温度測定法
(5)サンプル取換機構
(6)冷却系の圧力および温度の自動調節
(7)水およびガス精製
(8)F.F.D.(破損燃料検出器)
(9)遮蔽系および各部の放射能強度に関する経験
(10)計測系特にセンサーについて
(11)部品の信頼度

3.援助の方法
 原子炉ループに経験の深いVitro社から主任研究員であるS.K.Hellman氏を招へいし、討論会を開いた後、報告書を提出させる。

4.送金事項
 技術指導料:米ドル6,400ドル