放射線化学中央研究機構について

 原子力委員会は2月15日に原子力研究所に放射線化学の中央研究機構を設置することを正式に決定した。

 このため、原子力局長は原研理事長にその趣旨を通達したので、原研では放射線化学開発のための準備室を設けてその準備を始めるめることになった。

 なお、放射線化学の中央研究機構は下記のように決定したので、原研では当該部門の共同運営委員会を設置する準備を進めており、原子力委員会の放射線化学専門部会もさらに強化して、放射線化学の研究開発の基本的な計画を審議する機関として存続することになった。

  〔放射線化学の中央研究機構〕

1.放射線化学の中央研究組織として、特殊法人日本原子力研究所に放射線化学の専門部門を設置する。

 なお、同組織は、将来の発展とにらみ合わせて、当該部門の組織機能の強化を図るものとする。このため要すれば、日本原子力研究所法の改正を考慮する。

2.この中央研究組織には、民間には設置しがたいような大施設をおき、有望な放射線化学に関する中間規模試験、放射線工学および線源の開発を行なうとともに大施設で行なうに適当な基礎研究を実施する。

3.この中央研究組織の運営にあたり、民間の意向を十分に反映し、共同運営委員会(仮称)を付置する。

4.放射線化学の審議機関は、原子力委員会の専門部会を強化して活用するものとし、わが国における放射線化学の研究開発に関する基本的な計画を審議する。