三菱金属鉱業(株))および昭和電工(株)の
技術輸入について

 三菱金属鉱業(株)および昭和電工(株)では、乙種技術導入の甲種を行なっていたが、このほどその導入は適当であると認められた。その内容の概略は次のとおりである。

濃縮六弗化ウランから濃縮二酸化ウラン粉末の製造に関する技術情報

1.輸入相手

 Nuclear Materials and Equipment Corporation(NUMEC)米国

2.技術の内容

a)製造工程とその物質収支の概要
b)現在の三菱金属鉱業研究所の設備ならびに配置に対する注意助言
c)製造工程における分析検定
d)臨界管理
e)作業基準および健康安全対策
f)製造工場の管理

3.援助の方法

 上記項目に関する技術情報の提供

4.送金事項

 技術情報料:米ドル50,000ドル

放射線によるクラフト共重合体製造に関する基礎技術の情報提供ならびに指導

1.輸入相手

 Centre National de la Recberche Scientifique(フランス)

2.技術の内容

 基体となるポリマーをあらかじめ空気または酸素存在下で照射し、ポリマーにパーオキサイドを生じさせグラフトさせるモノマーを接触し加熱してパーオキサイドを分解し、それによって生ずるラジカルをグラフト反応の活性点としてグラフト共重合体を作成する方法であり、日本の特許権を有している。この場合照射の全線量、線量率、照射時あるいは接触時の温度、接触の時間、モノマーの純度等による変化を知ることが必要であるので、長年にわたるCNRSの技術者の研究データならびに経験の提供と指導をうける。

 本契約期間内に昭和電工はこれらの技術の工業化の当否ならびに工業化を行なう場合はその対象とする物質を決定する予定である。この期間中検討される対象はすべてのポリマー、モノマーの組合わせを含み、選択権については日本において独占的である。

3.援助の方法

a)特許テキスト、発明者等の研究データ、参考書類等の科学的情報の提供を受ける。
b)契約期間の終りに3週間以内発明者の1人を招聘し、指導を受ける。
c)一ヵ年以内、昭和電工の技術者一名がCNRSの研究所において指導を受ける。

4.送金事項

 技術指導料  18,533ドル
旅費
 729,400円
滞在費
 105,000円
T2