原子力委員会専門部会の審議状況

 日本原子力研究所がアメリカおよびフランスからの技術導入の申請を行ない、適当であると認められた。昭和35年1月14日付で人事院総裁から諮問のあった放射線障害防止の技術的基準に関する放射線審議会の答申が3月10日なされた。「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令」第5条の3の損害賠償措置の基準に関する運用規程が制定された。また国産1号原子炉用金属ウラン燃料の放射線照射に関する試験所究の申請書の提出期間が2月23日告示された。

日本原子力研究所の技術導入について

 日本原子力研究所がアメリカおよびフランスからの技術導入の申請を行ない、適当であると認められた。昭和35年1月14日付で人事院総裁から諮問のあった放射線障害防止の技術的基準に関する放射線審議会の答申が3月10日なされた。「核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規制に関する法律施行令」第5条の3の損害賠償措置の基準に関する運用規程が制定された。また国産1号原子炉用金属ウラン燃料の放射線照射に関する試験研究の申請書の提出期間が2月23日告示された。

 日本原子力研究所ではアメリカおよびフランスからの技術導入の申請を行なっていたが、このほどその導入は適当であると認められた。そのおもな内容は次のとおりである。

工業用汎用ホットケーブ設計上の諸問題についての
基礎概念ならびに具体的事項に関する情報

1.輸入相手 ワインリッヒアソシエイト(米)

2.技術の内容 下記の9項に関し当方の計画の検討ならびに助言、外国の実例等を求める。
(1)ホットケーブ設置位置、ディメンジョン、付属重などホットケーブ全般に関する問題
(2)ホットケーブ遮蔽ならびにライニング
(3)ホットケーブのドアプラグなどの方式
(4)ホットケーブの操作、監視、照明の方式および器具
(5)サンプリングに関する諸問題
(6)ホットケーブの内壁および機器の除染
(7)ホットケーブの換気および放射性廃ガスの大気への放出
(8)廃棄物貯蔵ならびにその処理
(9)ホットケーブ運転時における安全対策

3.援助の方法
 Weinrich 氏を招聘し原研が作成した上記の事項に関係した設計図、予定図、系体図、配置図等について検討し、これに基づいてワインリッヒ社で作成した報告書を提出せしめる。

4.対価
 米価(指導報告料)$7,100

 JRR-2原子炉用照射試験ループの設計製作に関する賃料の入手

1.輸入相手 ニュークリアーディペロウプメントコーポレーション(米)

2.技術の内容
(1)天然ウラン燃料試片照射用カプセルの設計、製作上注意すべき事項
(2)燃料試片を高温高圧のもとで照射試験を行なう場合の種々の条件におけるガス冷却ループの設計、製作上の一般的の注意事項
(3)照射ループ装置を供用するに際しての原子炉の安全運転に関する事項についての調査

3.援助の方法 技術者1名を招いて、上記の内容につき検討を行ない、それに基づいて必要な技術報告書をまとめて原研に提出する。

4.対価
 米価(指導料)$6,270
 円価(所得税)¥260,000

RI生産のために必要な一般的技術情報

1.輸入相手 フランス原子力庁(C.E.A)

2.技術の内容
(1)サクレー研究所における新旧両ホットラボに関しての下記の事項についての情報
  a 概   要
  b 保健物理関係施設
  c 廃棄物関係施設
  d 貯蔵配分関係施設
(2)RI(特に32P,35S,131I,198Au等)製造、貯蔵、配分に関する器具および施設
(3)RI(特に32P,35S,131I,198Au等)の製造技術の詳細

3.援助の方法
 サクレーの研究員Dr.R.Henryを1ヵ月間当所に招聘し、上記の項目についてのDr.Henry氏の説明と、原研側の準備案の説明を行なって、これについて検討を行ない、助言を供与してもらう。

4.対価
 仏価(指導料)F13,700
 円価(旅費および滞在費)¥899,700