放医研の動き

  第2回研究集談会、第3回厚放研連


 放医研では、かねてから研究者の全体会議としての研究集談会を企画し、さる7月7日その第1回を開催して以来,しばらく中断していたが、このほど、塚本所長の欧米視察旅行からの帰任と仲尾善雄生物研究部長の着任を機として、第2回研究集談会を行なった。11月19日午後放医研講堂において開催された同集談会は、原子力関係映画上映後、仲尾生物研究部長が主として英国エジンバラ大学における生物および遺伝学研究の実情を中心とした海外関係機関の研究状況について述べ、続いて塚本所長の第9回国際放射線学会,国際原子力機関超高圧放射線治療に関する専門部会の模様をはじめ各国原子力施設の状況等についての帰国報告が行なわれた。話題は特に諸外国における研究体制があらゆる関連科学の緊密な連絡と協力を軸に、すべての分野において基礎研究が重視されていることが強調され、放医研の今後の研究方向に多大の示唆を与えるものとして注目された。

 なお、放医研では今後も研究集談会を精力的に開催して、研究者全員の相互理解と協力の推進をはかる意向でいる。

 第3回厚生省付属機関放医研研究者連絡会は11月13日関係者多数出席のうえ、国立東京第2病院で開催された。同連絡会は,当日の議題である「放射能調査について」から入り、担当者間の連絡、打合せがあってのち許容量の問題を取り上げたが、これについては基礎医学をもっと先にたって研究していくべきであるとして研究者間に熱心な討議がなされた。

 なお、放射能調査の仕事は、今後さらに成果をあげるため、各省間の連けいを緊密にし、有機的にこれを推進していくべきである。特に原子炉関係のめざましい発展、アイソトープの広範な利用がみられるにいたった今日、この面のモニター業務を発展充実させる必要のあることが今後の方針として強調された。

 終って、東2病院におけるアイソトープ利用状況の説明があってのち、研究室を見学、次いで新設の東京都立アイソトープ中央研究所を訪れ5時散会した。