昭和電工(株)の技術導入について


 放射線の高分子化学に対する利用開発はわが国においても従来行なわれてきた。しかしながら外国においてはすでに相当の研究実績を上げ一部のものはわが国に特許申請が行なわれている。

 昭和電工においてはフランスにおいて開発された技術すなわちパーオキサイド法に関する技術の導入を行ない、今後における同社のこの方面の研究開発に資する方針である。そのおもな内容は次のとおりである。

1.輸入相手
Centre National de la Recherche Scientifique.

2.輸入技術
放射線利用によるパーオキサイド法によるグラフト重合に関しての反応条件、すなわち雰囲気ガス、ポリマー、モノマーの組合せ条件およびそれらの純度、照射時間、照射線量および照射時の温度等の各種反応因子の相関関係についての情報を輸入すると同時に技術の指導を受けるものである。

3.援助の方式
Centre National de la Recherche Scientifique 社の保有する特許およびそれらの誘導特許に関する情報が供与される。一方契約期間の初めと終りの各2週間以内に発明者の1人が来日して昭和電工研究所において指導を行なうと同時に契約期間中昭和電工の技術者が導入相手会社において指導を受けるものである。

4.対  価
イ)技術指導料  $ 24,692
ロ)旅   費  \ 1,375,400
ハ)滞   在  \ 210,000