原子力施設周辺地帯整備懇談会について


 原子力委員会は、8月5日の定例会議で原子力施設周辺地帯整備懇談会を開催することを決定した。本懇談会の開催の趣旨は、原子力施設の設置についてはその立地の適正を期するとともにこれとの関連において他の産業施設、道路、公園、住宅、学校、その他の施設が相互に適正に配置されることが必要であるが、この場合原子力施設のもつ特殊性からみて通常の都市計

画等とは異なり多くの点で特別の考慮を要し、特別法が必要であるとの考えにもとづき、各方面の学識経験者に原子力施設の周辺地帯の整備施策についての意見を求め、今後の方針を定めることにある。

 第1回の懇談会は8月8日(土)午前10時から原子力委員会会議室で開催されたが、同日の会議では、原子力施設の安全性をどのように考えるかによって整備計画の方向が非常に異なってくるので計画の前提として安全性についての考え方をはっきりさせることが必要であること、原子力施設の設置は一面危険をともなうとともに利益を与えその利益と不利益の較量により設置が認められるが、その利益には地方的利益を考慮する必要があること、特別法の制定が必要であろうがその前にどのように整備するかの基本的計画の確立が必要であること等の意見が出された。

 なお、本懇談会の構成は下記のとおりである。

懇談会の構成

倉田 主税   日立製作所社長
高井亮太郎   海外電力調査会会長
上野長三郎   川崎製鉄営繕部長
橋本清之助   日本原子力産業会議常任理事
高山 英華   東大教授
佐藤  弘   一橋大学教授
鈴木 雅次   日大教授
丹下 健三   東大助教授
福田 節雄   東大教授
左合 正雄   都立大助教授
竹山謙三郎   建築研究所所長
矢木  栄   東大教授
都築 正男   日赤中央病院長
岩上 二郎   茨城県知事
駒形 作次   日本原子力研究所理事長
高橋幸三郎   原子燃料公社理事長
水野  岑   首都圏整備委員会事務局計画第一部長
森本  潔   厚生省官房長
伊藤 正義   農林省農地局長
宮本  惇   通商産業省企業局原子力産業参事官
関盛 吉雄   建設省計画局長
中曽根康弘   原子力委員長
石川 一郎   原子力委員
有沢 広巳     〃
兼重寛九郎     〃
菊池 正土     〃
佐々木義武   科学技術庁原子力局長