コールダーホール改良型原子力発電所の審査について

中間報告を発表


  昭和34年7月9日  

原子力委員会原子炉安全審査専門部会
第7小委員会主査
通商産業省コールダーホール改良型原子力発電所審査委員会委員長

福  田  節 雄   

 本委員会は、日本原子力発電株式会社の許可申請にかかるコールダーホール改良型原子力発電所の審査を原子力委員会および通商産業大臣から委嘱され、本年3月31日第1回の会合を開いてから今日まで63回の合同審査会を開き、本発電所の安全性を中心として提出された申請書にもとづき鋭意検討を続けてきました。最終報告までには、なお若干の日数を要する見込でありますが、現在までの審査の結果、本発電所の安全性に関し一応の見通しを得ました。その要点は次のとおりです。

 本委員会は、安全性の観点から立地条件、気象、耐震構造、放射線障害対策、原子炉の特性、機械構造、計測制制、燃料、事故時の安全対策等の諸点について慎重に審議した結果、主として次のような措置がとられるならば、本発電所は安全であると認めることができます。

 なお、黒鉛収縮に関しての炉心構造については、本委員会で目下技術的検討を重ねています。

(1)事故時の安全を確保するためには、現在計画されている1次冷却装置よりさらに能力的にも、機構的にも信頼度の高い緊急冷却装置を設けること。

(2)中空燃料については、今後そのインパイルテスト等を行い、その性能と安全とを確めた上で採用すること。

(3)構造物の一応の竣工後その各部につき振動性状を確め、その結果により必要に応じ補強その他適当な処置を講ずること。