原 子 力 局

 国際見本市展示用原子炉の決定については原子力委員会の意見にもとづき3月30日許可がなされた。科学技術庁設置法その他関係政令等の一部改正にともない、原子力局も次長2名、7課、1監理官がおかれることになった。また規制法の一部改正法も4月4日公布された。放医研も第1期建設工事を完了、移転が開始された。その他昭和34年度海外留学生62名が決定、また補助金、委託費による試験研究の募集も4月11日告示された。

国際見本市展示用原子炉の設置について


  昭和34年3月11日、アメリカ合衆国原子力委員会から、軽水減速濃縮ウラン均質型(熱出力0.1W)1基の設置許可申請があったので、その許可に当り、核原料物質、核燃料物質及び原子炉の規則に関する法律第24条第1項各号に規定する基準の適用について、同法第24条第2項の規定に基く原子力委員会の意見を求めたところ、3月27日付をもって別掲(33ページ参照)の答申があったので、3月30日、これを許可した。

 この原子炉は、今後、設計および工事の方法の認可、施設検査ならびに性能検査等を受け、5月5日から22日までの国際見本市の会期中運転展示される予定である。

 なお、本原子炉施設の概要は次のとおりである。

使用の目的

国際見本市展示用

原子炉の型式および熱出力

UTR型(アメリカン・ラジエーター・アンド・スタンダード・サニタリ社製 0.1W)

設置の場所

東京都中央区晴海町晴海埠頭
1959年国際見本市晴海会場アメリカ原子力特設館

原子炉施設の工事計画

運転開始までの工事期間約1ヵ月半
運転期間5月5日から22日まで

燃料およびその予定使用量

90%濃縮ウランとアルミニウムの合金をアルミニウムで被覆。
初期装入量 3kg U235。5月5日から22日までの使用量ほとんど零

使用済燃料の処分の方法

原子炉解体後米国に返送