原子力年報の発表


 原子力委員会は、昨年末発表した第1回原子力年報にひきつづいて、このほどその第2回として昭和32年度において行われたわが国の開発状況を中心とした年報を12月10日開催の第46回定例会議において決定、発表した。

 前回の年報と比較して特にめだつ点は、わが国原子力開発の規模を海外諸国との対比により説明していること、原子力技術の振興、実用化への努力等の章においてわが国原子力技術の総合的な現状を説明していること等があげられる。

 すなわちわが国の原子力開発は、年々人員、予算とも充実されてきているが、諸外国に比してまだまだ相当の開きがあり、原子力問題が全く新しい分野でありその開発に巨大な資金を要することを考えあわせると今後とも多くの資金を投入する必要があることをのべている。また原子力技術の開発、動力用原子炉の導入および原子力障害の防止と安全の問題、さらに原子力船や核融合の研究等にふれ、基礎研究の充実とともに原子力発電の具体化の必要性を強調している。