原子力委員会日誌

第28回〜第31回

第28回

〔日時〕昭和33年7月18日(金)14.15〜17.00

〔議題〕
(1)核燃料に関する海外技術調査について
(2)核融合推進計画について
(3)濃縮ウラン型原子力発電所の Text Book について
(4)米国、ユーラトム間の協定について
(5)原子炉安全審査専門部会第1小委員会中間報告について

〔配布資料〕
(1)核燃料に関する海外技術調査について(案)
(2)熱核反応推進計画概案
(3)第1回核燃料経済専門部会議事録
(4)原子炉安全基準専門部会議事録

審議決定および報告事項

(1)核燃料に関する海外技術調査について
 核燃料に関する加工および検査について海外技術を調査する調査団の派遣が提案されたが、審議の結果加工を調査範囲から除き、視察対象も訪問先国の意向を打診の上具体的な計画を検討することとなり、調査団の派遣については原則的に決定された。

(2)核融合推進計画について
 熱核反応についての研究を推進するための計画案が提出されたが原案を検討の上核融合専門部会の審議にかけることが了承された。

(3)濃縮ウラン型原子力発電所の Text Book について
 動力炉専門部会から標記のText Bookが提出された旨報告があった。

(4)米国、ユーラトム間の協定について
 米国、ユーラトム間に締結または締結予定の協定について説明があった。

(5)原子炉安全審査専門部会第1小委員会中間報告について
 東海大学の設置する原子炉についての原子炉安全審査専門部会第1小委員会の中間報告について説明があり、申請者に対し細部の資料を提出せしめたい旨提案があり了承された。

第29回

〔日時〕昭和33年7月25日(金)14.20〜17.00

〔議題〕
(1)技術導入によるウラン製錬技術の開発について
(2)昭和33年度原子力平和利用研究に関する補助金・委託費の交付について
(3)防衛庁の原子力関係予算の取扱について

〔配布資料〕
(1)技術導入によるウラン製錬技術の開発について
(2) 1.昭和33年度原子力平和利用研究費補助金交付申請一覧表
   2.昭和33年度原子力平和利用研究費補助金の交付申請に係る試験研究の概要
   3.昭和33年度原子力平和利用研究委託費交付申請一覧表
   4.昭和33年度原子力平和利用研究委託費の交付申請に係る試験の概要
   5.昭和33年度原子力平和利用に関する補助金・委託費の交付対表(案)
(3)第1回重水専門部会議事録

審議決定および報告事項

(1)技術導入によるウラン製錬技術の開発について
 今後数年間は、ウラン燃料要素の本格的な需要見込みはないので、当分の間民間における製錬事業の企業化および企業化に直結する製錬技術の導入はこれを認めないが、国内の試験所究はこれを促進し、場合により技術情報の導入はこれを認める方針を決定した。

(2)昭和33年度原子力平和利用研究に関する補助金・委託費の交付について
 昭和33年度補助金および委託費の交付申請につきその交付採択原案の報告があり、その一部を再検討することになった。

(3)防衛庁の原子力関係予算の取扱について
 防衛庁の原子力関係予算を原子力委員会で取り扱うことについては、更に検討することになった。

第30回

〔日時〕昭和33年7月30日(水)15.00〜16.00

〔議題〕
(1)第2回ジュネーブ会議論文の活用方法について
(2)昭和34年度原子力関係予算について
(3)昭和33年度原子力平和利用研究費補助金の交付について

〔配布資料〕
(1)昭和34年度原子力予算総額
(2)第2回ジュネーブ会議論文の活用方法について(案)
(3)原子力局組織表(案)
(4)災害補償方式の検討(案)

審議決定および報告事項

(1)第2回ジュネーブ会議論文の活用方法について
 会議において発表される各種論文の日本における編集方法につき、資料(2)により説明があり、会議に報告された論文のとりまとめを亘理調査官が行うことと決定した。

(2)昭和34年度原子力関係予算について
 局と委員会の予算については今後検討することとし、燃料の特別会計については予算の要求をすることとし災害補償については民営原子力保険制度の確立を目標として推進することとした。また、防衛庁関係予算についても、委員会として取り上げることを了承した。

(3)昭和33年度原子力平和利用研究費補助金の交付について
 保留課題について局に一任することを了承した。

第31回

〔日時〕昭和33年8月15日(金)16.10〜17.00

〔議題〕
(1)昭和34年度原子力関係予算について
(2)東海大学の原子炉設置申請について
(3)原子力行政機構について

〔配布資料〕

 なし

審議決定および報告事項

(1)昭和34年度原子力関係予算について
 昭和34年度原子力関係予算編成の経過について中間的な報告があり、防衛庁の要求する原子力関係予算についても平和目的に限られるよう留意し、委員会の見積および配分計画の対象とする旨了承された。

(2)東海大学の原子炉設置申請について
 本件については、大学の設置する最初の原子炉となるので、近傍住民に安全性について納得のいくよう慎重な措置を講じたい旨委員長から発言があり、原子炉安全審査専門部会の審査状況が報告された。

(3)原子力行政機構について
 昭和34年度予算要求に織り込む原子力行政機構については原子力局を庁に昇格せしめることになった。