放射線審議会の第1回総会ひらく

 本年4月23日「放射線障害防止の技術的基準に関する法律」が成立し、5月21日法律第162号として「放射線審議会令」(政令第135号)と同時に公布施行の運びとなり、これらにもとづいて放射線審議会が成立し、その第1回の総会が6月30日午前10時から東京会館で開かれた。当日は、内閣総理大臣(代理、石井桂科学技術政務次官)の挨拶で始められ、会長に都築日赤中央病院長が選出され、次いで都築会長が木村原研理事を会長代理に指名した。次に事務当局の作成した放射線審議会運営規程案が審議され、原案どおり承認された。部会の設置については同じく事務当局案を中心にして審議されたが、原案どおり承認、この結果、総括部会、放射線施設部会、放射線防護部会、放射線影響部会および放射能測定部会の5部会が設けられることとなった。ここで、10分間の休憩があり、休憩中に各部会長の選出、部会構成委員の指名等について検討がなされた。
 再開後、都築会長から部会構成委員の指名が行われ、次いで部会長互選の結果が各部会から報告された。
 最後に、運輸大臣から運搬に従事する者の最大許容過線量について、労働大臣から電離放射線障害防止規則(案)についてそれぞれ諮問がなされ、関係部会に付託し、早急にこれを調査審議することとなり、正午散会した。

放射線審議会委員名簿

篠原  登   科学技術事務次官
樋口 助弘   放射線医学総合研究所長
森永 貞一郎  大蔵事務次官
稲田 清助   文部事務次官
広瀬 孝六郎  東京大学工学部教授
大山 義年   東京工業大学教授
田辺 繁雄   厚生事務次官
刈米 達夫   国立衛生試験所長
塩見 友之助  農林事務次官
上野 幸七   通商産業事務次官
後藤 以紀   電気試験所長
荒木 茂久二  運輸事務次官
中西  実   労働事務次官
米田 正文   建設事務次官
竹山 謙三郎  建設省建築研究所長
青木 敏男   日本原子力研究所保健物理部長
一本松 珠き  日本原子力発電株式会社副社長
今井 美材   原子燃料公社理事
勝木 新次   財団法人労働科学研究所長
木村 健二郎  日本原子力研究所理事
杉本 朝雄   日本原子力研究所理事
瀬藤 象二   東京芝浦電気株式会社専務取締役
田島 英三   立教大学理学部教授
都築 正男   日赤中央病院長
中泉 正徳   東京大学名誉教授
浜田 秀則   株式会社日立製作所中央研究所副所長
藤本 慶治   株式会社島津製作所専務取締役
村地 孝一   立教大学理学部教授
山崎 文男   株式会社科学研究所主任研究員

放射線審議会運営規程

放射線審議会令(昭和33年政令第135号)第4条の規定に基き、この規定を制定する。

昭和33年6月30日

放射線審議会会長

(会議)
第1条 放射線審議会(以下「審議会」という。)の会議は、総会及び部会とする。

(総会の招集)
第2条 総会は、会長が招集する。

2 会長は、あらかじめ総会の開催の日時及び場所並びに総会に附議すべき事項を記載した書面を委員に発して招集の通知をするものとする。

3 会長は、総委員の3分の1以上の者から総会に附議すべき事項を示して総会を招集すべき旨の請求があった場合には、当該請求があった日から20日以内にこれを招集しなければならない。

(議長)
第3条 会長は、議長として総会の議事を掌理する。

(委員以外の者の出席)
第4条 議長は、必要があると認めるときは、委員以外の者を総会に出席させて、意見を述べ、又は説明させることができる。

2 幹事及び科学技術庁原子力局の職員は、前項の規定にかかわらず、総会に出席することができる。

(総会の決議)
第5条 総会は、委員の過半数の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。

2 総会の決議は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。ただし、委員(関係行政機関の職員のうちから任命された委員を除く。)の代理者は、会長の同意を得た場合の外、総会の議決に参加することができない。

(緊急議案)
第6条 総会においては、出席した委員の3分の2以上の同意を得たときに限り、第2条第2項の規定によりあらかじめ通知があった事項以外の事項についても議決することができる。

(部会への附託)
第7条 会長は、審議会に対し、関係行政機関の長から諮問があった場合において、必要があると認めるときは、諮問に係る事案を関係部会に附託するものとする。

(部会の決議)
第8条 部会の決議は、あらかじめ総会の定めた事項については、会長の同意を得て、審議会の決議とすることができる。

2 部会の決議であって他の関係部会の審議に附することが適当と認められるものについては、会長は、当該決議に係る事案を当該関係部会に附議しその決議を経た後でなければ、前項の同意をしてはならない。

3 会長は、第1項の同意をした決議を次期総会に報告しなければならない。

(部会の招集)
第9条 部会は、部会長が招集する。

2 部会長は、あらかじめ部会の開催の日時及び場所並びに部会に附議すべき事項を記載した書面を部会に所属する委員及び専門委員に発して招集の通知をするものとする。

3 部会長は、部会に所属する総委員の3分の1以上の者から部会に附議すべき事項を示して部会を招集すべき旨の請求があった場合には、当該請求があった日から20日以内にこれを招集しなければならない。

(議長)
第10条 部会長は、議長として部会の議事を掌理する。

(部会に所属する委員及び専門委員以外の者の出席)
第11条 議長は、必要があると認めるときは、部会に所属する委員及び専門委員以外の者を部会に出席させて、意見を述べ、又は説明させることができる。

2 幹事及び科学技術庁原子力局の職員は、前項の規定にかかわらず、部会に出席することができる。

(部会の決議)
第12条 部会は、部会に所属する委員の過半数の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。

2 部会の決議は、出席した部会に所属する委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。ただし、部会に所属する委員(関係行政機関の職員のうちから任命された委員を除く。)の代理者は、会長の同意を得た場合の外、総会の議決に参加することができない。

(緊急議案)
第13条 部会においては、出席した部会に所属する委員の3分の2以上の同意を得たときに限り、第9条第2項の規定によりあらかじめ通知があった事項以外の事項についても議決することができる。

(答申書等)
第14条 会長は、審議会の決議があったときは、必要に応じ、答申書及び意見書を作成しなければならない。

放射線審議会部会

1.総 括 部 会(1)各部会の総合調整に関すること。
         (2)その他他の部会に属しないこと。

2.放射線施設部会(1)放射線取扱施設等の位置、構造及び設備に関すること。

3.放射線防護部会(1)放射線障害防止上規制すべき放射性物質等の範囲に関する
            こと。
         (2)放射線の取扱方法に関すること。
         (3)放射線の測定に関すること。(放射能測定部会に属するも
            のを除く。)
         (4)放射性同位元素装備機器等の規格に関すること。

4.放射線影響部会(1)放射線の最大許容量に関すること。
         (2)放射線取扱者の保健等に関すること。

5.放射能測定部会(1)自然に賦存する放射性物質から発生する放射線、核爆発に
            伴う放射性生成物から発生する放射線等の測定方法に関す
            ること。


     放射線審議会各部会別委員名簿

         *印は他部会委員の兼務 順不同

総括部会(部会長 木村健二郎)13 人
 篠原  登   科学技術事務次官
 森永 貞一郎  大蔵事務次官
 稲田 清助   文部事務次官
 田辺 繁雄   厚生事務次官
 塩見 友之助  農林事務次官
 上野 幸七   通商産業事務次官
 荒木 茂久二  運輸事務次官
 中西  実   労働事務次官
 米田 正文   建設事務次官
*大山 義年
*山崎 文男
*樋口 助弘
*木村 健二郎

放射線施設部会(部会長 大山義年)8人  
         7人+他部会との兼1人=8人
 広瀬 孝六郎  東京大学工学部教授
 一本松 珠き  日本原子力発電株式会社副社長
 瀬藤 象二   東京芝浦電気株式会社専務取締役
 大山 義年   東京工業大学教授
 竹山 謙三郎  建設省建築研究所長
 杉本 朝雄   日本原子力研究所理事
 今井 美材   原子燃料公社理事
*後藤 以紀

放射線防護部会(部会長 山崎文男)10人
         5人+他部会との兼5人=10人
 山崎 文男   株式会社科学研究所主任研究員
 後藤 以紀   工業技術院電気試験所長
 青木 敏男   日本原子力研究所保健物理部長
 藤本 慶治   株式会社島津製作所専務取締役
 浜田 秀則   株式会社日立製作所中央研究所副所長
*中泉 正徳
*樋口 助弘
*勝木 新次
*木村 健二郎
*広瀬 孝六郎

放射線影響部会(部会長 樋口助弘)7人
         6人+他部会との兼1人=7人
 村地 孝一   立教大学理学部教授
 都築 正男   日赤中央病院長
 中泉 正徳   東京大学名誉教授
 樋口 助弘   放射線医学総合研究所長
 勝木 新次   財団法人労働科学研究所長
 刈米 達夫   国立衛生試験所長
*田島 英三

放射能測定部会(部会長 木村健二郎)5人
         2人+他部会との兼3人=5人
 田島 英三   立教大学理学部教授
 木村 健二郎  日本原子力研究所理事
*刈米 達夫
*山崎 文男
*青木 敏男