放射線医学総合研究所の動き

起工式と西独科学者との懇談会


 放射線医学総合研究所では、かねてから数次にわたって検討を加えてきた設計も完了し、大成建設株式会社の施工により、いよいよ昭和34年7月完成をめざして第1期工事に着手する等、本格的活動をはじめた。

5月20日起工式挙行さる

 5月20日(火)午前11時から千葉市黒砂町の敷地に、原子力委員会石川委員、科学技術庁官房長ほか各局長、大蔵省、建設省、施工者など関係省庁、千葉県知事、千葉市長ら関係者約150名参列のもとに、放射線医学総合研究所起工式が挙行された。

放医研所員と西独科学者との懇談会

 5月20日起工式終了後、午後3時から、おりから西独赤十字社から放射線障害等の研究のために日本赤十字社に派遣され、滞在中であった

Hans-Joachim Melching(Fveiburg大学)
Han-Robert Beck(Karlsruhe)
Karl-Hainz Ficke (Berlin市立病院)
Otfried Messerschmidt(軍医)

の4氏を人事院ビルの原子力委員会会議室に招き、石川原子力委員の出席のもとに、日赤中央病院長都築正男博士の司会により、放医研所員との懇談会を開催した。
 まず、病気療養中の樋口所長に代り、江藤障害研究部長の挨拶と、中尾調査課長の放医研の概略についての説明があったのち、各研究部ごとにそれぞれ研究内容の紹介があり、質疑応答、意見の交換等熱心な論議がかわされ、予期以上の成果を収めた。放医研では、研究の推進と視野を広くするためにも、今後、この種の企画を機会あるごとに行いたい意向である。