放射線審議会第1回総会

 放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律(昭和32年法律第167号)第39条および科学技術庁設置法(昭和31年法律第49号)にもとづく放射線審議会第1回総会が昭和32年9月17日午後2時30分から東京会館で開催された。放射線審議会は科学技術庁長官の諮問に応じ、放射線障害の防止に関する重要事項について審議することとなっているが、その第1回総会における会議の概要およびその結果は次のとおりであった。

1.篠原事務次官の開会の辞に始まり、科学技術庁長官の挨拶(吉田政務次官代読)に続いて、佐々木原子力局長に代って法貴原子力局次長が放射性同位元素等による放射線障害の防止に関する法律および放射線審議会が発足するまでの経過説明があり、島村政策課長から前記法律および政令(放射線審議会令)の概要説明があった。

2.会長に都築正男委員が選出され、会長代理は木村健二郎委員と決定した。

3.放射線審議会令(昭和32年政令第167号)第6条の規定にもとづき、放射線審議会運営規程が制定された。

 放射線審議会運営規程

放射線審議会令(昭和32年政令第167号)第6条の規定にもとづき、この規程を制定する

     昭和32年9月17日

                            放射線審議会会長

 放射線審議会運営規程

(会議)

第1条 放射線審議会(以下「審議会」という。)の

 会議は、総会及び部会とする。

(総会の招集)

第2条 総会は、会長が招集する。

2 会長は、総会開催日の7日前に到達するように、日時、場所及び附議すべき事項を記載した書面を委員に発して招集の通知をするものとする。

3 会長は、総委員の3分の1以上の者から総会に附議すべき事項を示して総会を招集すべき旨の請求があった場合は、当該請求があった日から20日以内にこれを招集しなければならない。

(議長)

第3条 会長は、議長として総会の議事を掌理する。

(委員以外の者の出席)

第4条 議長は、必要があると認めるときは、委員以外の者を総会に出席させて、意見を述べ、又は説明させることができる。

2 専門委員は、前項の規定にかかわらず、議長の許可を得て総会に出席し、意見を述べ、又は説明することができる。

(総会の決議)

第5条 総会は、委員の過半数の出席がなければ、会議を開き、議決をすることができない。

2 総会の議事は、出席した委員の過半数をもって決し、可否同数のときは、議長の決するところによる。

(緊急議案)

第6条 総会においては、出席した委員の3分の2以上の同意を得たときに限り、第2条第2項の規定によりあらかじめ通知があった事項以外の事項についても議決することができる。

(議事録)

第7条 総会の議事については、議事録を作成しなければならない。

2 議事録には、次に掲げる事項を記載し、議長がこれに署名しなければならない。

一 総会の日時及び場所

二 出席した委員及び委員以外の発言者の氏名

三 議事の経過の要領及び各議案に関する意見の概要

四 議案別の議決の結果

(部会の設置)

第8条 審議会に、次の4部会を置く。

 総括部会

 施設部会

 技術部会

 保健部会

(部会への附託)

第9条 会長は、審議会に対し、科学技術庁長官から諮問があったときは、諮問に係る事案を関係部会に附託するものとする。

(部会の決議)

第10条 部会の決議は、あらかじめ総会の定めた事項については、会長の同意を得て、審議会の決議とすることができる。

2 部会の決議であって総括部会又は他の関係部会の審議に付することが適当と認められるものについては、会長は、当該決議に係る事案を総括部会又は当該関係部会に付議しその決議を経た後でなければ、前項の同意をしてはならない。

3 会長は、第1項の同意をした決議を次期総会に報告しなければならない。

(準用)

第11条 第2条から第4条第1項まで、及び第5条から第7条までの規定は、部会に準用する。この場合において、第2条第2項及び第4条第1項中「委員」とあるのは「部会に所属する委員(専門委員を含む。)」と、第2条第3項中「総委員」とあるのは「部会に所属する総委員」と、第5条第1項中「委員」とあるのは「部会に所属する委員」と読み替えるものとする。

(答申書)

第12条 会長は、審議会の決議があったときは、遅滞なく、答申書を作成しなければならない。

4.各部会に所属する委員および専門委員候補者が決定された。

    放射線審議会構成

     〔委〕 委員

     〔専〕 専門委員(候補者)

会   長  都築 正男

会長代理  木村 健二郎

総括部会長 中泉 正徳

施設部会長 広瀬 孝六郎

技術部会長 木村 健二郎

保健部会長 樋口 助弘

 総括部会

川崎  蔵 〔委〕人事院職員局長

石野 信一 〔委〕大蔵省官房長

緒方 信一 〔委〕文部省大学学術局長

大宰 博邦 〔委〕厚生省官房長

斎藤  誠 〔委〕農林省官房長

斎藤 正年 〔委〕通産省官房長

朝田 静夫 〔委〕運輸省官房長

堀   秀夫 〔委〕労働省労働基準局長

柴田 達夫 〔委〕建設省官房長

木村 健二郎 〔委〕日本原子力研究所理事

中泉 正徳 〔委〕東京大学名誉教授

樋口 助弘 〔委〕放射線医学総合研究所長

広瀬 孝六郎 〔委〕東京大学(工学部)教授

施設部会

浅田 弥平〔委〕原子燃料公社企画室長

石川   潔〔委〕東京芝浦電気(株)取締役

北川 徹三〔委〕横浜国立大学(工学部)教授

駒井 健一郎〔委〕(株)日立製作所常務取締役

篠田 淳三〔委〕第一製薬(株)社長

竹山 謙三郎〔委〕建設省建築研究所長

広瀬 孝六郎〔委〕東京大学(工学部)教授

有住 徹弥〔専〕神戸工業(株)東京支社原子力室長

井上 武一郎〔専〕日本原子力研究所保健物理研究部

井上 弥治郎〔専〕工業技術院電気試験所放射線課長

内田 秀雄〔専〕東京大学(工学部)教授

岡本 十二郎〔専〕国立東京第一病院放射線科

柴田 長夫〔専〕日本原子力研究所東海研究所放射線応用部副主任

末利 志郎〔専〕旭硝子(株)研究所副長

中堀 孝志〔専〕(株)島津製作所レントゲン副工場長

藤井 正一〔専〕建設省建築研究所第5研究部主任研究員

前川 喜寛〔専〕建設省住宅局建築課建築専門官

技術部会

青木 敏男〔委〕日本原子力研究所保健物理研究部長

網島  毅〔委〕 神戸工業(株)常務取締役

木村 健二郎〔委〕 日本原子力研究所理事

後藤 以紀〔委〕 工業技術院電気試験所長

藤本 慶治〔委〕 (株)島津製作所専務取締役

正井 省三〔委〕 住友化学工業(株)専務取締役

山崎 文男〔委〕 (株)科学研究所主任研究員

伊沢 正実〔専〕 放射線医学総合研究所第2基礎研究部室長

伊藤 岳郎〔専〕 放射線医学総合研究所第1基礎研究部長

江藤 秀雄〔専〕 放射線医学総合研究所障害研究部長

佐々木 呉〔専〕 帝国石油(株)穿井開発部次長

村主  進〔専〕 日本原子力所究所保健物理研究部

園田  晋〔専〕 昭和電工(株)企画部次長

西垣  晋〔専〕 農林省農業技術研究所化学部土壌化学第3研究室長

浜田 達二〔専〕 (株)科学研究所山崎研究室

森内 和之〔専〕 工業技術院電気試験所放射線課

山下 久雄〔専〕 慶応大学(医学部)助教授

保健部会

勝木 新次〔委〕 労働科学研究所副所長

刈米 達夫〔委〕 国立衛生試験所長

武見 太郎〔委〕 日本医師会会長

都築 正男〔委〕 日本赤十字社中央病院長

中泉 正徳〔委〕 東京大学名誉教授

樋口 助弘〔委〕 放射線医学総合研究所長

村地 孝一〔委〕 立教大学(理学部)教授

筧   弘毅〔専〕 千葉大学(医学部)教授

勝沼 晴雄〔専〕 東京大学(医学部衛生看護学科)助教授

久保田 重孝〔専〕 労働科学研究所労働病院理学第1研究室主任

合志 一夫〔専〕 東京芝浦電気(株)原子力開発部長代理

三枝 守英〔専〕 石川島重工業(株)造機設計部次長

坂部 弘之〔専〕 労働省労働衛生研究所職業部長

佐藤 徳郎〔専〕 厚生省公衆衛生院栄養生化学部

道家 忠義〔専〕 立教大学(理学部)助教授

浜田 秀則〔専〕 (株)立製作所中央研究所副所長k 日立製作所中央研究所副所長

星野 幸平〔専〕 東洋レーヨン(株)取締役中央研究所長兼研究部長

吉崎 鴻造〔専〕 東洋鋼板(株)企画部長

5.科学技術庁長官から放射線審議会に対して次のとおり諮問があり、会長は諮問に係る事案を次のとおり各部会に付託した。

       諮 問 事 項

                   〔 〕内は付託部会名

1.〔技術〕 

この法律の規制対象とすべき放射性同位元素、放射性同位元素装備機器及び放射線発生装置(以下「放射性同位元素等」という。)の範囲(第2条)

2.〔施設〕

放射性同位元素等の使用及び放射性同位元素の販売の業の許可の基準(第6条、第7条)

3.〔技術〕 放射性同位元素等の使用並びに放射性同位元素の詰替、保管、運搬及び廃棄の基準(第15条から第19条まで)

4.〔技術〕 放射線の測定に関する基準(第20条)

5.〔保健〕 放射線障害を受けた者の発見に関する基準(第23条)

6.〔保健〕 放射線障害を受けた者等に対する措置内容(第24条)

7.〔技術〕 危険時における措置内容(第33条)

8.〔総括〕 放射線取扱主任者の試験の内容及び資格認定の基準(第35条)

[参考] 放射性審議委員会名簿(計30名)