原子燃料公社精錬工場の敷地候補地について

 原子燃料公社精錬工場の敷地については、公社役員による現地視察の結果、図のごとき地区が精錬工場敷地として適当であるとして当局に対し申入れがあったので、原子力局は関係官庁たる大蔵省および特別調達庁に対して正式に交渉を開始するように準備を進めている。


敷地候補地見取図

 この敷地の第1候補地は日本原子力研究所の敷地の南方約7kmの地点にあり、現在米軍爆撃演習場(360万坪)の一部(旧飛行場格納庫附近)約34万坪であり、第2候補地はこの演習場北辺(国立療養所村松晴嵐荘南部)の約30万坪の部分である。

 第1候補地は茨城県勝田市中根および同那珂ひたの

湊市部田野の境界附近であり、第2候補地は同勝田市長砂および同東海村田向の附近である。

 公社がこの地区を選んだ理由は次のごとくである。

 1 東海村の日本原子力研究所敷地内には余裕がなく、晴嵐荘附近については一部民有地が含まれている。
 2 選定地区は全部国有地であり、敷地買収の手続を必要としない。
 3 第1候補地は全地域が整地され、工場建設にはきわめて便利である。
 4 格納庫施設等は一部改修して使用できる。
 5 工場用水については既存の給水施設があり、当面この施設で十分であり、また電力については容易に送電施設をなし得る。

など種々の利点があり、交通上、環境上良好な地点であることなどがおもな理由である。