英国原子力公社産業部長クリストファー・ヒントン卿は、正力原子力委員長の熱心な提唱にもとづき、読売新聞社招待の形式で去る５月16日来日された。同卿は現在英国原子力開発の実際の推進者であり、わが国において、今後原子力の開発を進めるに当り、その貴重な体験を聞き、有益な示唆を受けることは、極めて必要かつ有意義なものであるとして、関係官庁はもちろん、学界、産業界等各界から大きな期待と関心を持たれていた。

　卿は約２週間の滞日期間中東京および大阪において前後４回にわたり、主として原子力発電開発に関して、みずからの豊富な体験を語るとともに、わが国の原子力開発に関し数多くの貴重な助言を行い、各界に多大の感銘を与えた。

　卿は５月30日、帰国の途につかれたが、卿の滞日中の動きは次のとおりであった。

５月16日（水）　第１日
　　早朝　　横浜着　船上で記者会見
　　11．30　読売新聞社訪問、訪日の挨拶
　　13．30　鳩山首相、正力国務相らと会見
　　15．00　正力国務相と対談
　　18．00　英大使館首脳部と対談

５月17日（木）　第２日
　　12．00　日本原子力産業会議の招待会（於東京会館）
　　14．00　日本原子力産業会議主催講演会「原子力発電の技術的諸問題」
　　17．30　読売新聞社主催レセプション（於東京会館）

５月18日（金）　第３日
　　12．00　政界代表、原子力関係議員と懇談（於赤坂プリンスホテル）
　　14．30　座談会：原子力発電の歴史と将来
　　　　　　　出席者　石川一郎氏　藤岡由夫民　有沢広巳氏　伏見康治氏
　　17．15　デニング英大使会見
　　18．00　正力国務相主催ディナーパーティー　主席者は財界主脳　　（於新喜楽）

５月19日（土）　第４日
　　13．00　読売新聞社主催講演と映画の会
　　　　　　　「原子力発電を手がけて」　（於中央大学）

５月20日（日）　第５日
　　９．00　東京駅発「つばめ」で西下

５月21日（月）　第６日
　　13．00　日本原子力産業会議関西大会に出席
　　　　　　　講演「原子動力と産業開発」　（於大阪産経会館）
　　17．00　商工会議所主催カクテルパーティー

５月22日（火）　第７日
　　午前　　奈良見物
　　14．10　大阪発日航機で帰京
　　19．45　ヂニング英大使主催ディナー・パーティー

５月23日（水）　第８日
　　13．30　動力原子炉を中心とする学者、技術者への学術講演会
　　　　　　　「イギリスの原子炉」−とくにガス冷却石墨炉について　（於科研講堂）

５月24日（木）　第９日
　　18．00日本原子力産業会議主催招待会　（於椿山荘）

５月30日（水）
　　16．00　横浜出帆