第2章 国内外の原子力開発利用の状況
9.原子力分野の国際協力

(3)近隣アジア諸国及び開発途上国との協力

 近隣アジア諸国及び開発途上国との協力としては,これまでもRCA*の枠組みでの協力やアジア地域原子力協力国際会議の下での協力,二国間協定等の下での協力を行ってきました。さらに1996年11月5日には,橋本内閣総理大臣の提唱によるアジア原子力安全東京会議が開催され,アジア地域における原子力安全に係る重要事項が確認され,このような会議が引き続き開催されることが合意されました。

 アジア地域では,今後飛躍的な経済発展が予想され,エネルギー需要も急増することが見込まれており,原子力の開発利用への期待が高まっている。我が国はこれまでの技術的蓄積や経験を踏まえ,研修事業をはじめとする人材交流等の協力を行ってきたが,今後,安全の確保と核不拡散を大前提として,各国の国情に応じた協力を一層推進していくことが必要となっている。
1996年11月5日,同年4月の原子力安全モスクワ・サミットにおいて橋本内閣総理大臣が提唱した「アジア原子力安全東京会議」が開催され,高い水準の原子力安全の達成・維持,主要な原子力安全の各国責任,原子力活動の国際的な透明性の向上,規制情報交換会合の実施,人的資源の開発,原子力安全文化の醸成などの原子力安全に係る重要事項が確認された。
 また,1995年12月には,原子力委員会に原子力国際協力専門部会を設置し,近隣アジア地域及び開発途上国との協力のあり方及び方策等についての審議を開始した。


*RCA:Regional Co-operative Agreement for Research,Development and Training Related to Nuclear Science and Technology


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