第2章 国内外の原子力開発利用の状況
7.バックエンド対策

(3)バックエンド対策をめぐる国際動向

 原子力バックエンド対策は,原子力開発利用を行っている各国とも重要な問題として捉え,取り組みを進めている。高レベル放射性廃棄物処分対策,低レベル放射性廃棄物対策,原子力施設廃止措置の現状について,それぞれ(表2-7-3)(,表2-7-4)(,表2-7-5)に示す。
 現代の人間活動の結果発生した,長期間にわたり適切な管理を必要とする高レベル放射性廃棄物の処分については,世代間及び同世代内の公平といった観点や,人間の健康や自然環境の保護といった環境面の観点から,どのようにとらえていかなければならないかという問題を含んでいる。
 このようなとらえ方については,国際的にも議論が進められており,1995年5月,経済協力開発機構/原子力機関(OECD/NEA)の放射性廃棄物管理委員会(RWMC*)が,「地層処分における環境と倫理の基準(The Environmental and Ethical Basis of Geological Disposal)」の集約意見として,長寿命放射性廃棄物の最終処分方策について,社会的側面からみた考え方を世界の専門家の参加を得て取りまとめている。

 集約意見では,環境保護及び将来世代への責任等の観点から,地層処分について考察し,これらを踏まえて,放射性廃棄物の地層処分は,世代内及び世代間の公平といった観点及び人間の健康や自然環境の保護といった観点の基本的な要請に適うものであり,その推進を図ることは適当であると結論づけている。


* RWMC:Radioactive Waste Managemant Committee


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