第2章 国内外の原子力開発利用の状況
4.原子力発電の展開

(1)我が国の原子力発電の状況

1963年10月26日,日本原子力研究所の動力試験炉(JPDR*,軽水型,電気出力12,500キロワット)が運転を開始し,我が国初の原子力発電が始まったが(後にこの日を「原子力の日」と決める),その後,我が国の発電設備容量は順調に伸び,1978年には1,000万キロワット,1984年には2,000万キロワット,1990年には3,000万キロワット,1994年には4,000万キロワットを超えた。

1996年11月に東京電力(株)柏崎刈羽原子力発電所6号炉(出力135万6,000キロワット)が新たに運転を開始したことにより,1996年11月現在,運転中の商業用発電炉は50基,発電設備容量は4,254万7,000キロワット,新型転換炉原型炉「ふげん」を含めると51基,4,271万2,000キロワットとなっている。これは,米国,フランスに次ぐ世界第3位の設備容量である。


*JPDR: Japan Power Demonstration Reactor

 建設中の商業用発電炉は,1996年9月11日に東北電力(株)女川原子力発電所3号炉が着工したことにより,3基,336万1,000キロワット,高速増殖原型炉「もんじゅ」を含めると,4基,364万1,000キロワットとなった。また,建設準備中のものは,東北電力(株)東通原子力発電所1号炉が1996年7月18日こ電源開発調整審議会に上程され,電源開発基本計画に計上されたことにより合計2基192万5,000キロワットとなった。
 以上の運転中,建設中及び建設準備中のものを含めた合計は,商業用発電炉で55基,4,783万3,000キロワット,研究開発段階発電炉を含めると,57基,4,827万8,000キロワットである。
 原子力発電は,1995年度末現在,一般電気事業用の発電設備容量の20.5%,1995年度推定実績で,一般電気事業用の発電電力量の33.8%を占め,主要な役割を果たしている。

 また,1995年度の設備利用率は,過去最高の80.2%で,1983年度以来,13年間続いて70%を超える高い水準で推移してきている。設備利用率が1994年度に比べ増加した主な要因は,沸騰水型軽水炉(BWR*)の配管取替工事および加圧水型軽水炉(PWR*)の蒸気発生器の取替工事等の減少により,定期検査期間が短くなったことである。


目次へ          第2章 第4節(2)へ