また原子力委員会の主催により,1989年度よりアジア地域原子力協力国際会議が毎年開催され,1995年3月には第6回会議が開催された。
本会議においては,近隣アジア諸国の原子力開発利用の政策及び国際協力の現状について発表が行われ,さらに今後の協力の課題等について参加国間で率直な意見交換がなされた。また,本国際会議で協力分野として合意されている,①研究炉利用,②放射性同位元素(RI)放射線の医学利用,③RI・放射線の農業利用,④パブリック・アクセプタンス,の4分野について,インドネシア,マレーシア,中国及び韓国においてセミナーが開催された。国際会議においては,これらセミナーの結果を踏まえ,具体的な協力の計画及び問題点について積極的な検討が行われた。
さらに中国との間では,1994年4月に日中原子力協力協定の下での協力として,科学技術庁原子力安全局長と中国国家核安全局長との間で,原子力施設の運用により発生する低レベル放射性廃棄物の安全規制及び緊急時対応等を含む安全規制に関連する分野に関する情報交換・専門家の交換等の協力取決めを,また,同年5月には資源エネルギー庁長官と中国国家核安全局長との間で,商業用原子力発電所の安全規制に関連する分野に関する情報交換・専門家等の協力取決めを締結し,安全分野における協力を開始した。
*RCA : Regional Cooperative Agreement for Research Development and Training Related to Nuclear Science and Technology
また1995年6月,総合エネルギー調査会原子力部会は近隣アジア地域において活発化しつつある原子力発電の導入・拡大の動きが安全確保等の観点から適切に行われるよう,我が国としても多国間枠組みや二国間協力交流等を通じて積極的な対応を行うべきとする中間報告書をとりまとめた。
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