第2章 国内外の原子力開発利用の現状
6.核燃料リサイクルの技術開発

(3)新型転換炉の開発

 新型転換炉(ATR*)は,プルトニウム,回収ウラン等を柔軟かつ効率的に利用できるという特長を持つ原子炉として自主開発を進めてきた。
 原型炉「ふげん」は,1979年3月に本格運転を開始し,1995年5月末までに累積で602体のMOX燃料を装荷するなど,順調に運転されている。これまでの運転を通じ,プラントシステム,機器及びMOX燃料等の性能と信頼性の実証及び運転経験の評価を行ってきている。
 実証炉については,電源開発(株)が青森県大間町に建設計画を進めてきたところであるが,電気事業連合会から実証炉建設計画について見直しの要望がなされ,1995年8月の原子力委員会決定において,ATR実証炉建設計画は中止が妥当と判断された。原型炉「ふげん」については,今後,その特長を活かしてプルトニウム利用技術開発施設や国際的共同研究施設等として有効に活用していくことが検討されている。


*ATR : Advanced Thermal Reactor


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