第2章 新長期計画策定の背景としての内外の原子力開発利用の現状
5.軽水炉体系による原子力発電

(2)ウラン資源の確保と利用

 我が国の原子力発電に必要な天然ウランについては,電気事業者により,カナダ,英国,オーストラリア等から主としで長期契約等により,2000年過ぎごろまでの所要量を確保しているが,我が国の原子力開発利用の自主性・安定性の確保の観点から,引き続き,長期購入契約,自主的な探鉱活動,鉱山開発への経営参加等供給源の多様化に配慮し,天然ウラン資源の確保に努めることとしている。

 海外における我が国のウラン資源の調査探鉱活動は,動力炉・核燃料開発事業団及び民間企業が実施している。動力炉・核燃料開発事業団は,1994年度には,カナダ,オーストラリア,アフリカ諸国及び中国等において単独又は海外企業と共同による調査・探鉱等を実施しており,カナダ,オーストラリア及びジンバブエにおいて有望な成果が得られつつある。
 また,我が国の民間会社もカナダ及びオーストラリアにおいて活動を行っている。出光興産(株)は,1982年からのカナダのシガーレイク地区でフランス,カナダ等の鉱山会社と調査探鉱を行っており,高品位の鉱床を発見し,現在,企業化調査を実施中である。


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