第2章 新長期計画策定の背景としての内外の原子力開発利用の現状
4.原子力発電の現状と見通し

世界の原子力発電設備容量は,1994年6月末現在,運転中のものは423基,3億5,419万キロワットに達しており,建設中,計画中のものを含めると総計545基,4億5,799万キロワットとなっている。
 原子力による発電電力量については,1993年実績で2兆934億キロワット時に達し,世界の総発電電力量の17.5%を占めている。これは,サウジアラビアの年間石油生産量(世界第1位:1993年実績約4億2,470万トン)を上回る約4億7,000万トンの石油を現在の火力発電所で消費した場合に発生する電力量に相当する。
 現在,欧米等の先進諸国を中心として原子力発電所の運転が行われているが,1994年の前半期に中国が原子力発電所の運転を開始したことにより,原子力発電国(地域)は,30か国(地域)となった。その他開発途上国等においても原子力発電所の建設あるいは計画が進められており,これらの国を合わせると37か国(地域)となる。
 運転中のものについて見ると,米国が依然全世界の原子力発電設備容量の約30%を占めており,フランス,日本,旧ソ連がそれに続いている。炉型別では全体の約86%が軽水炉で占められており,軽水炉のうちの約74%が加圧水型軽水炉(PWR),残り約26%が沸騰水型軽水炉(BWR)となっている。


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