第2章 新長期計画策定の背景としての内外の原子力開発利用の現状
3.情報公開と国民の理解の増進

(1)原子力開発利用に対する最近の世論の状況

1990年に行われだ総理府の世論調査によると,原子力発電の必要性については,「必要である」とした人が6割を超えており,必要性について国民の一定の理解は得られていた。一方,原子力発電の安全性については,約5割の人が「安全ではない」と考えていた。さらに,原子力発電に対する情報源に対する信用度については,信用できる説明主体として,3割から4割の人が「テレビ・ラジオなどの報道」,「学者・専門家」,「新聞・雑誌などの報道」を挙げていた。
 また,1992年に行われた,(社)エネルギー・情報工学研究会議の全国での世論調査によると,原子力発電の重要性については,78%の人が「重要である」と考えているが,原子力発電の安全性を確保できるかどうかについては,「確保できる」とする人が67%と半数をかなり上回っているが,30%の人が「できない」と考えている。
 この結果から,必要性については多くの人が感じているものの,安全性に対する不安・心配は残っており,原子力の安全性に対する理解を促進していくことが必要であることがわかる。


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