第1章 新しい長期計画の策定

 原子力委員会は,長期的視点に基づき,基本的かつ総合的な指針と基本的施策の推進方策を明らかにし,我が国の原子力の平和利用を計画的かつ効果的に進めていくため,原子力開発利用に関する長期計画を1956年以来,おおむね年ごとに数次にわたり策定している。
 本年6月24日新しい長期計画「原子力の研究,開発及び利用に関する長期計画」(以下「新長期計画」という)を1987年以来7年振りに策定した。
 新長期計画は,まず21世紀の地球社会を展望し,直面する諸問題とそれに対し原子力の平和利用が果たし得る役割を示し,その上に立って,我が国が原子力開発利用を行う目的と我が国の原子力開発利用を進める上での政策の柱となる基本方針を明らかにし,さらにその基本方針の下で進められる将来計画を具体的に提示したものである。
 本章では,新長期計画の基本的考え方とその背景及び2年近くにわたった新長期計画策定の経緯,さらにはこの新長期計画に基づく当面の取組に関する原子力委員会としての考え方などについて示した。


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