第2章 核燃料サイクル
6.核燃料物質等の輸送

海外からの我が国へ輸送される核燃料物質は,発電用低濃縮ウラン燃料の場合は,低濃縮ウランの原料となる天然六フッ化ウラン,海外で濃縮された六フッ化ウラン又は更に転換加工された二酸化ウラン粉末の形態で輸送されている。
 これらの核燃料物質は,加工事業所間においては,二酸化ウラン粉末又は六フッ化ウラン,また,加工事業所と原子力発電所等の間においては,新燃料集合体の形で輸送されている。
 使用済燃料については,東海再処理工場で再処理する場合は,各原子力発電所から,専用運搬船により東海再処理工場へ輸送されている。
 また,英国及びフランスに再処理を委託しているため,両国へも専用運搬船により輸送されている。
 低レベル放射性廃棄物については,(株)原燃輸送所有の専用運搬船「青栄丸」(総トン数;約4,000トン)により全国の原子力発電所から六ヶ所村への輸送が予定され,専用輸送容器を各原子力発電所へ運搬する等,実輸送に向けての準備が行われている。
 英国及びフランスでの再処理により回収されたプルトニウムについては,我が国に返還輸送し核燃料どして使用することとしているが,1992年秋頃には,高速増殖原型炉「もんじゅ」の燃料製造に必要なプルトニウム(核分裂性)のフランスから日本への海上輸送が実施されることになっている。


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