第7章 基礎・基盤研究等
2.基盤技術開発

(4)放射線リスク評価・低減化技術

 放射線リスク評価・低減化技術については,放射性核種の環境中での挙動,生体内代謝,挙動解析技術からなる被ばく線量評価技術,発がん,発生障害,遺伝的リスク等の放射線リスク評価技術,発生原因回避除去,生物学的低減化技術からなる放射線リスク低減化技術が技術開発課題となる。
 このうち,低レベル放射線による発がん等の影響,分子・細胞生物学的にみた放射線による発がんの機構,日本人の特徴を考慮に入れた公衆の被ばく線量の評価等の研究が放射線医学総合研究所で,放射線に対する生物学的防護機構の解明に関する研究が国立公衆衛生院で実施されている。
 また,放射性物質の大気拡散について,広域高層の範囲での高精度動態評価コードシステムが日本原子力研究所で開発されている。
 さらに,「原子力基盤技術総合的研究」として,放射線による染色体異常の高速自動解析システムに関する研究が,放射線医学総合研究所,国立予防衛生研究所,国立衛生試験所,国立病院医療センター及び理化学研究所でまた,放射性核種の環境中移行の局地規模総合モデルに関する研究が気象研究所,放射線医学総合研究所,日本原子力研究所,動力炉・核燃料開発事業団及び理化学研究所で実施されている。


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