第7章 基礎・基盤研究等
2.基盤技術開発

(1)原子力用材料技術

 原子力用材料技術については,金属系材料,セラミックス系材料,高分子・有機系材料及び複合材料等の新しいタイプの耐放射線性材料の創製,放射線を低減化するための材料の創製,これら材料の諸特性の機構解明,ミクロレベルの材料解析・評価を行うとともに,原子力複合極限環境下での材料の化学反応・制御,原子力用材料データ・ベースの構築に関する研究開発等が技術開発課題となる。
 このうち,材料照射損傷その場分析・評価装置を用いた原子レベルで起こる照射損傷の過程を解明するための技術開発等が金属材料技術研究所で,ビスマス化合物のイオン除去材への利用に関する研究等が無機材質研究所で,耐放射線性半導体開発の基礎技術に関する研究が電子技術総合研究所で実施されている。
 また,材料の中性子等の照射効果に関する研究等が日本原子力研究所で,高速増殖炉や再処理プラントなど核燃料サイクル全般のプラント材料に要求される耐放射線性構造材料の開発が動力炉・核燃料開発事業団で実施されている。
 さらに,「原子力基盤技術総合的研究」として,原子力極限環境材料の開発に関する研究が,金属材料技術研究所,無機材質研究所,化学技術研究所,日本原子力研究所及び動力炉・核燃料開発事業団において実施されている。この他,「原子力基盤技術総合的研究」と同様に複数の機関が連携して行う研究として,金属材料技術研究所,日本原子力研究所,動力炉・核燃料開発事業団が共同で原子力用材料開発に役立つ材料の諸特性の実験結果等のデータを分散型データベースとして整備するシステムの開発が実施されている。


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