第2章 核燃料サイクル
5.プルトニウム利用

 我が国においては,ウラン資源を有効に利用し,原子力発電の供給安定性を高めるため,長期的に安全性及び経済性を含め,軽水炉によるウラン利用に勝るプルトニウム利用体系を確立することが極めて重要である。このため,再処理により得られるプルトニウムを利用することとし,段階的に開発努力を積み重ねていくこととしている。
 プルトニウムの利用形態に関しては,ウラン資源の利用効率が特に高い高速増殖炉での利用を基本とし,高速増殖炉の実用化を目指すこととしている。また,我が国の原子力発電計画においては,当面,軽水炉が主流であることから,軽水炉自体によるリサイクル利用を図り,それによってエネルギー供給面での一定の役割を果たすとするとともに,核燃料利用の面で融通性に富む新型転換炉において,その特徴を活かしつつ,プルトニウム利用を進めることとしている。


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