第2章 核燃料サイクル
2.ウラン濃縮

(3)商業プラントの建設

 我が国の遠心分離法技術は,動力炉・核燃料開発事業団による技術開発及び運転経験の蓄積の結果,国際的な水準に達しており,商業プラントの建設に当たっては,これまでの知見を適切に活用しつつ推進していくことが必要である。
 1984年7月に,電気事業連合会が,青森県及び同県六ヶ所村に対して行ったウラン濃縮施設を含む核燃料サイクル施設の六ヶ所村への立地協力要請に対して,1985年4月に青森県から要請を受諾する旨正式に回答がなされた。また,ウラン濃縮の事業化のため,電気事業者を中心に,1985年3月に商業プラントの事業主体として日本原燃産業(株)が設立された。
 1985年6月に着手された立地調査に引き続き,1987年5月,原子炉等規制法に基づき内閣総理大臣に対し加工事業許可申請書が提出された。1988年8月に事業許可を受け,1988年10月には,建設工事が開始され,1991年度に操業開始が予定されている。その後,逐次増設され,最終的には1,500トンSWU/年の規模とする計画となっている。


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